消費税改正のポイント

平成15年度消費税改正の概要は、次の4つです。

          内        容
@ 納税義務が免除される基準期間における課税売上高の上限が
1,000万円(改正3,000万円)に引き下げられました。
  
3,000万円以下⇒1,000万円以下
A 簡易課税制度を適用することができる基準期間における課税売上高の
上限が5,000万円(改正前2億円)に引き下げられました。
2億円以下⇒5,000万円以下
B 申告納付回数が下記のように改正されました。
直前の課税
期間の確定
消費税の額(注)
48万円以下 48万超
400万円以下
400万円超
4,800万円以下
4,800万円超
申告の回数 年1回
(確定申告1回)
年2回
確定申告1回
中間申告1回
年4回
確定申告1回
中間申告3回
年12回
確定申告1回
中間申告11回

(注)直前の課税期間の確定消費税の額には、地方消費税額を含みません。
C

総額表示が義務付けられました


総額表示とは、課税事業者が取引の相手である消費者に対して消費等の販売、役務の提供等の取引
を行うに際し、あらかじめその取引価格を表示する場合には、消費税額を含めた価格を表示することです。

 ※総額表示 (例)
    ○例えば、1本200円のボールペンを販売する場合
       内税方式では 210円(消費税込み)
       外税方式では 200円(消費税抜き)
     上記のような表示でしたが、改正後は次のようになります。
    210
    210円(税込み)
    210円(本体価格200円)
    210円(うち消費税等10円)
    210円(本体価格200円、消費税等10円)
     (注)価格の表示が消費税等を含めた総額であれば、「総額である」棟の表示は必要ありません。

 
@ABの適用期間
この改正は、平成16年4月1日以後開始する課税期間から適用されます。したがって
 ●個人事業者は平成17年分から適用されます。
 ●事業年度が1年である法人については、平成17年3月末決算期分から適用されます。

Cの適用期間

この改正は、平成16年4月1日から適用されます。


消費税の実務
   ─個人事業者編─

1、消費税の会計処理
  消費税の課税対象となる取引にかかわる経理には税込み経理方式と税抜き経理方式があります。

区分税込み経理方式税抜き経理方式
意義 消費税の額とその消費税に係る取引の
対価の額を区分しないで経理する方式
消費税の額とその消費税に係る取引の
額を区分して経理する方式
経理方式 課税売上、課税仕入等に係る消費税の
額をその売上金額、仕入金額等に含め
て処理する方法
課税売上、課税仕入等に係る消費税の
額を、借受消費税等、仮払消費税等とし
て科目を設け、その売上金額、仕入金額
等に含めないで処理する方法
納付税額
 納付すべき消費税の額は同額になります。

2、具体的な仕訳例
NO
税込み経理方式
税抜き経理方式

借 方
貸 方
借 方
貸 方
@(旅費交通費)210(現金)210 (旅費交通費)200
(仮払い消費税)10
(現金)210
 (注)210円は税込みの金額なので、税抜きにするときは、次のように計算します。 
        210円×100/105=200円
3、本則課税とは・・・・
  課税事業者の納付する消費税額は、原則として課税期間の課税売上に係る消費税額から課税仕入等に
  係る消費税額を控除した金額となります。
  平成15年度消費税法改正により、基準期間の課税売上高が5,000万円を超える事業者は、すべて本則
  課税により消費税額を計算することになります。
 

国税の消費税(4%)の計算



消費税の
納付税額=
課税期間における課税売上に係る消費税
課税期間における課税仕入等に係る消費税
課税期間の課税売上高×4%課税期間の課税仕入高×4%

地方消費税(1%)の計算


納付税額=消費税の納付税額(4%)×25%

4、簡易課税制度とは・・・・
  基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、課税売上高から納付税額を計算できる「簡易課税制度」
  の選択ができます。
  納付税額は、事業の種類ごとに定められた「みなし仕入率」を、課税期間における課税売上に係る消費税額に乗じ
  たものを課税期間における課税仕入等に係る消費税額とみなして計算します。

消費税の
納付税額=
課税期間における
課税売上に係る消費税額

課税期間における課税仕入れ等に係る消費税額
課税期間の課税売上高×4%課税期間の課税売上高×4%×みなし仕入率


勘定科目による課否の判定・・個人事業者


科      目取引内容課否の判定
売上(収入)金額
(雑収入を含む)
原則として課税
商品券等の販売代金、受け取り利息、住宅の家賃収入、地代収入
×
期首商品(製品)棚卸
×
仕入金額原則として課税
土地仕入代金
×
期末商品(製品)棚卸
×













租税公課事業税、印紙税、固定資産税、自動車税
×
荷造り運賃
水道光熱費
旅費交通費原則として課税
海外出張旅費(国内部分を除く)
×
通信費原則として課税
国際郵便料金、国際電話料金
×
広告宣伝費
接待交際費原則として課税
祝い金・見舞金等、商品券・ビール券等の購入費
×
損害保険料
×
修繕費
消耗品費
減価償却費
×
福利厚生費原則として課税
健康保険料等の法定福利費、慶弔費、共済掛金
×
給料賃金原則として不課税
×
通勤手当
外注工賃
利子割引料
×
地代家賃原則として課税(例えば店舗用家賃)
地代、住宅家賃
×
支払手数料原則として課税
登記・免許・特許等の法令に基づく行政手数料
×
雑費
貸倒引当金繰入額
×
専従者給与
×



(注)課否の判定の○は消費税がかかるもの、×はかからないものを示します。なお、消費税の課否の
   判定は取引ごとに行うものであり、勘定科目で行うのではありませんので、この表はあくまでも目安
   である点にご留意下さい。

■個人事業者の届出の実務
   ※これまで免税事業者であった方が届出をする場合は、以下のとおりです
 






基準期間
課税期間での判定
平成15年分の課税売上高
 1,000万円以下
平成17年分免税事業者
(届出は不要です)
平成17年分課税事業者を選択できます
事前に「消費税課税事業者選択届出書」の提出が必要です
平成15年分の課税売上高
1,000万円超 5,000万円以下
平成17年分課税事業者
「消費税課税事業者届出書」の提出が必要です
簡易課税制度を選択できます
事前に「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要です
平成15年分の課税売上高
   5,000万円超
平成17年分課税事業者
「消費税課税事業者届出書」の提出が必要です

  ※課税事業者である方が届出をする場合は、以下のとおりです






基準期間
課税期間での判定
平成15年分の課税売上高
 1,000万円以下
平成17年分免税事業者
(「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」の提出が必要です)
平成17年分課税事業者を選択できます
事前に「消費税課税事業者選択届出書」の提出が必要です
平成15年分の課税売上高
1,000万円超 5,000万円以下
平成17年分課税事業者
   (届出は不要です)
簡易課税制度を選択できます
事前に「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要です
平成15年分の課税売上高
   5,000万円超
平成17年分課税事業者
   (届出は不要です)

 ─法人編─

●法人の基準期間
 法人の基準期間は、その事業年度の前々年度をいいます(例えば3月末決算の場合)

 
平成14年4月〜平成15年3月
平成15年4月〜平成16年3月
平成16年4月〜平成17年3月
平成14年度
平成15年度
平成16年度
前々事業年度
基準期間
前事業年度
その事業年度
←その課税期間→
      
●基準期間が1年未満の場合
 前々事業年度に会社を新規に設立したばあい、基準期間が1年未満となる場合があります。
 法人の場合、その期間の課税売上高を1年に換算して判定します。つまり、課税売上高を基準期間
 である事業年度の月数で除し、12を乗じて計算します。なお、1ヶ月に満たない端数は1ヶ月として
 計算します。
 例えば、基準期間の年、平成14年6月1日に設立した法人の場合。
       基準期間(平成14年6月1日〜平成15年3月31日)の課税売上高 1,000万円 
                              
          1,000万円×12ヶ月/10ヶ月(14年6月〜15年3月)=1,200>1,000万円
          したがって、課税事業者になります。


勘定科目による課否の判定・・法人事業者


(1)売上高

勘定科目勘定科目(細目)課税不課税免税非課税
売上高原則的取扱
輸出売上高
土地売上高
土地賃貸収入
駐車場収入

(2)営業外収益

勘定科目勘定科目(細目)課税不課税免税非課税
受取利息
受取配当金
受取地代家賃更地の貸付
駐車場施設の貸付
事業所等の貸付
従業員宿舎、寮の貸付
受取保険金
公衆電話収入・
自動販売機収入


(3)売上原価

勘定科目勘定科目(細目)課税不課税免税非課税
仕入高原則的取扱
土地仕入高

(4)販売費及び一般管理費

勘定科目勘定科目(細目)課税不課税免税非課税
役員報酬等役員報酬、賞与、退職金等
使用人給与 使用人給与、賞与、退職金
住宅手当等アルバイト・パート代
人材派遣料
法定福利費
福利厚生費原則的取扱
祝い金、見舞金、香典
通勤手当通常必要であると認められる部分の金額
出張旅費・
宿泊費・日当
通常必要であると認められる部分の金額
海外出張分
会議費
通信費国内間電話料、郵便料
国際電話料、国際郵便料
消耗品費
交際費原則的取扱
祝い金、香典、選別等
寄付金金銭でする寄付金
寄付のための現物の購入
減価償却費
地代家賃土地の賃借料
居住用建物の賃借料
事業用建物の賃借料
賃借料機械・車輌・器具備品等のリース料
修繕費
租税公課
保険料
水道光熱費
試験研究費原材料費、他社委託費等
給与等の支払
荷造り運送等国内間運送
広告宣伝費
会費・組合費等同業者団体等の会費
貸倒損失貸付金の貸倒
課税売上に係る債権の貸倒

(5)営業外費用

勘定科目勘定科目(細目)課税不課税免税非課税
支払利息割引料



保証料




(6)その他の項目

勘定科目勘定科目(細目)課税不課税免税非課税
有価証券
未成工事支出金(個々の取引ごとに判定)
建物・建物付属設備(取得時)
機械装置・器具備品(取得時)
車輌運搬具(取得時)
土地土地代金
仲介手数料
出資金金銭による出資行為
他社持分の取得及び自己持分の譲渡
ゴルフ会員権・レジャー
クラブの入会金
(取得時)
繰延資産(支出時)
受入れ保証金、敷金等保証金等のうち返還部分
保証金等のうち不返還部分

■法人事業者の届出の実務
   ※これまで免税事業者であった方が届出をする場合は、以下のとおりです
 






基準期間
課税期間での判定
平成15年3月期の課税売上高
 1,000万円以下
平成17年3月期免税事業者
(届出は不要です)
平成17年3月期課税事業者を選択できます
事前に「消費税課税事業者選択届出書」の提出が必要です
平成15年3月期の課税売上高
1,000万円超 5,000万円以下
平成17年3月期課税事業者
「消費税課税事業者届出書」の提出が必要です
簡易課税制度を選択できます
事前に「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要です
平成15年3月期の課税売上高
   5,000万円超
平成17年3月期課税事業者
「消費税課税事業者届出書」の提出が必要です

  ※課税事業者である方が届出をする場合は、以下のとおりです






基準期間
課税期間での判定
平成15年3月期の課税売上高
 1,000万円以下
平成17年3月期免税事業者
(「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」の提出が必要です)
平成17年3月期課税事業者を選択できます
事前に「消費税課税事業者選択届出書」の提出が必要です
平成15年3月期の課税売上高
1,000万円超 5,000万円以下
平成17年3月期課税事業者
   (届出は不要です)
簡易課税制度を選択できます
事前に「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要です
平成15年3月期の課税売上高
   5,000万円超
平成17年3月期課税事業者
   (届出は不要です)


不課税取引

 不課税取引とは、消費税の課税対象の要件(@国内において行うものA事業者が事業として行うもの
 B対価を得て行うものC資産の譲渡等であること)から外れている取引で、別名「課税対象外」
 と呼ばれているものです。

非課税取引

 非課税取引とは、消費税の課税対象要件に合致している取引ですが、消費に負担を求める税として
 の性格から見て課税の対象とすることになじまないものや、社会政策上課税すべきでないものが限定
 的に規定されています。
(1)消費税の性格上課税対象とすることになじまないもの
1、土地の譲渡、貸付
2、社債、株式等の譲渡、支払手段の譲渡
3、利子、保証料、保険料など
4、郵便切手、印紙などの譲渡
5、商品券、プリペイドカードなどの譲渡
6、住民票、戸籍抄本等の行政手数料など
7、国際郵便為替、外国為替

(2)特別の社会政策的な配慮に基づくもの
1、社会保健医療など
2、一定の介護サービス、社会福祉事業など
3、助産(お産)費用など
4、埋葬料、火葬料
5、一定の身体障害者用物品の譲渡貸付など
6、一定の学校の授業料、入学金など
7、教科用図書の譲渡
8、住宅家賃

  詳しくは、最寄の税務署、商工会にお問合せ下さい・・・!

 ─国税庁ホームページもご利用できます─
   消費税改正リーフレット  
 














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