マリア・アンナ・テークラは叔父フランツ・アロイス・モーツァルトの娘で、モーツァルトの従妹(ベーズレ)。
1758年9月25日アウクスブルクで生れ、1841年1月25日バイロイトで没(83歳)。
彼女は「アウクスブルクの市民階級の娘にふさわしい黄金色の肌をしていた」という。
右は、1777-78年頃本人がモーツァルトに送った鉛筆画の肖像。
モーツァルトの死後、この絵は妻コンスタンツェの手に渡り、それから息子フランツ・クサヴァーの所有となった。
今はザルツブルク・モーツァルテウム財団が所蔵。
モーツァルトの遊び心(特に「火山の噴火を想わせるような」言葉の洪水)はこの2歳下の従妹(ベーズレ)に宛てた手紙の中で最大限に開花。
彼女は1曲も作ってもらってないが、その代わり史上希に見る手紙の山を贈られた。
下品な内容だということで20世紀まで隠されてはいたが、よくぞ残されていたと思う。
たとえば息子カール・トーマスは自分が所有する「下品な手紙」を抹殺しようと考えていた(そうしてしまったものも実際あるだろう)という。
左の手紙はオーストリアの作家シュテファン・ツヴァイクが所有していたもの。
その中央にはモーツァルトが描いた彼女の似顔絵がある。
アイブル&ゼン「モーツァルトのベースレ書簡を読む」須永恒雄訳、シンフォニア
モーツァルトの一見ナンセンスな文章には暗号化されたものがあるらしいので、いわゆる「ベースレ書簡」に対してもそのような解読が試みられると面白いと思う。