指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について

平成11年7月29日

厚生省老人保健福祉局企画課長

その3

      (8)法定代理受領サービスに係る報告

原文

対訳
1) 基準第14条第1項は、居宅介護サービス費又は居宅支援サービス費を利用者に代わり当該指定居宅サービス事業者に支払うための手続きとして、指定居宅介護支援事業者に、市町村(国民健康保険団体連合会に委託している場合にあっては当該国民健康保険連合会)に対して、居宅サービス計画において位置付けられている指定居宅サービス等のうち法定代理受領サービスとして位置付けたものに関する情報を記載した文書(給付管理票)を毎月提出することを義務づけたものである。
2) 基準第2項は、指定居宅介護支援事業者が居宅サービス計画に位置付けられている基準該当居宅サービスに係る情報を指定居宅サービスに係る情報と合わせて市町村(国民健康保険団体連合会に委託している場合にあっては当該国民健康保険団体連合会)に対して提供することにより、基準該当居宅サービスに係る特例居宅介護サービス費又は特例居宅支援サービス費の支払事務が、居宅サービス計画に位置付けられている指定居宅サービスに係る居宅介護サービス費又は居宅支援サービス費の支払を待つことなく、これと同時並行的に行うことができるようにするための規定である。

1)ケアマネ機関は給付管理表を毎月市町村(国保連)に提出しなければなりません。

2)基準該当居宅サービスについても同様です。

      (9)利用者に対する居宅サービス計画等の書類の交付

原文

対訳
 基準第15条は、利用者が指定居宅介護支援事業者を変更した場合に、変更後の指定居宅介護支援事業者が滞りなく給付管理票の作成・届出等の事務を行うことができるよう、指定居宅介護支援事業者は、利用者が他の居宅介護支援事業者の利用を希望する場合その他利用者からの申し出があった場合には、当該利用者に対し、直近の居宅サービス計画及びその実施状況に関する書類を交付しなければならないこととしたものである。 利用者の希望によりケアマネ機関を変更した場合は、前のケアマネ機関はケアプランとその実施状況について次のケアマネ機関に報告する文書を利用者に渡さないといけません。

      (10)利用者に関する市町村への通知

原文

対訳
 基準第16条は、偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者及び自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失等により、要介護状態等若しくはその原因となった事故を生じさせるなどした者については、市町村が、介護保険法第22条第1項に基づく既に支払った保険給付の徴収又は第64条に基づく保険給付の制限を行うことができることに鑑み、指定居宅介護支援事業者が、その利用者に関し、保険給付の適正化の観点から市町村に通知しなければならない事由を列記したものである。 利用者の不正行為、詐欺行為を発見した場合は市町村に連絡しないといけません。

      (11)運営規程

原文

対訳
 基準第18条は、指定居宅介護支援の事業の適正な運営及び利用者等に対する適切な指定居宅介護支援の提供を確保するため、同条第1号から第6号までに掲げる事項を内容とする規定を定めることを指定居宅介護支援事業所ごとに義務づけたものである。特に次の点に留意する必要がある。
1) 職員の職種、員数及び職務内容(第2号)
 職員については、介護支援専門員とその他の職員に区分し、員数及び職務内容を記載することとする。
2) 指定居宅介護支援の提供方法、内容及び利用料その他の費用の額(第4号)
 指定居宅介護支援の提供方法及び内容については、利用者の相談を受ける場所、課題分析の手順等を記載するものとする。
3) 通常の事業の実施地域(第5号)
 通常の事業の実施地域は、客観的にその区域が特定されるものとすること。なお、通常の事業の実施地域は、利用申込に係る調整等の観点からの目安であり、当該地域を越えて指定居宅介護支援が行われることを妨げるものではない。

ケアマネ機関は運営規定を定めなければなりません。

1)ケアマネとその他の職員の人数と職務内容

2)業務の内容・手順

3)縄張り

      (12)勤務体制の確保

原文

対訳
 基準第19条は、利用者に対する適切な指定居宅介護支援の提供を確保するため、職員の勤務体制等を規定したものであるが、次の点に留意する必要がある。
1) 指定居宅介護支援事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、介護支援専門員については、日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係等を明確にする。
 なお、当該勤務の状況等は、基準第17条により指定居宅介護支援事業所の管理者が管理する必要があり、非常勤の介護支援専門員を含めて当該指定居宅介護支援事業所の業務として一体的に管理されていることが必要である。従って、非常勤の介護支援専門員が兼務する業務の事業所を居宅介護支援の拠点とし独立して利用者ごとの居宅介護支援台帳の保管を行うようなことは認められないものである。
2) 基準第2項は、当該指定居宅介護支援事業所の従業者たる介護支援専門員が指定居宅介護支援を担当するべきことを規定したものであり、当該事業所と介護支援専門員の関係については、当該事業所の管理者の指揮命令が介護支援専門員に対して及ぶことが要件となるが、雇用契約に限定されるものではないものである。
3) 基準第3項は、より適切な指定居宅介護支援を行うために、介護支援専門員の研修の重要性について規定したものであり、指定居宅介護支援事業者は、介護支援専門員の資質の向上を図る研修の機会を確保しなければならない。

勤務体制に関する注意事項

1)毎月の勤務表を作らなければいけません。

2)ケアマネがケアマネジメントを担当しなければなりません。管理者がケアマネを指揮命令します。

3)ケアマネが研修できるよう機会を与えられなければなりません。

      (13)設備及び備品等

原文

対訳
 基準第20条に掲げる設備及び備品等については、次の点に留意するものである。
1) 指定居宅介護支援事業所には、事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務室を設けることが望ましいが、他の事業の用に供するものと明確に区分される場合は、他の事業との同一の事務室であっても差し支えないこと。なお、同一事業所において他の事業を行う場合に、業務に支障がないときは、それぞれの事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものとする。
2) 専用の事務室又は区画については、相談、サービス担当者会議等に対応するのに適切なスペースを確保することとし、相談のためのスペース等は利用者が直接出入りできるなど利用しやすい構造とすること。
3) 指定居宅介護支援に必要な設備及び備品等を確保すること。ただし、他の事業所及び施設等と同一敷地内にある場合であって、指定居宅介護支援の事業及び当該他の事業所及び施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所及び施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。

1)ケアマネ機関は専用の事務室を設けることが望ましいが、仕切りがあれば併設も可です。

2)相談できる場所を確保しましょう。

3)設備備品は他の事業と共用してもよいです。

      (14)掲示

原文

対訳
 基準第22条は、基準第4条の規定により居宅介護支援の提供開始時に利用者のサービスの選択に資する重要事項(その内容については(1)参照)を利用者及びその家族に対して説明を行った上で同意を得ることとしていることに加え、指定居宅介護支援事業所への当該重要事項の掲示を義務づけることにより、サービス提供が開始された後、継続的にサービスが行われている段階においても利用者の保護を図る趣旨である。

以下の重要事項を掲示しなければなりません

当該指定居宅介護支援事業所の運営規程の概要、介護支援専門員の勤務の体制、秘密の保持、事故発生時の対応、苦情処理の体制等の利用申込者がサービスを選択するために必要な重要事項

      (15)秘密保持

原文

対訳
1) 基準第23条第1項は、指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員その他の従業者に、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密の保持を義務づけたものである。
2) 基準第2項は、指定居宅介護支援事業者に対して、過去に当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員その他の従業者であった者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務づけたものであり、具体的には、指定居宅介護支援事業者は、当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員その他の従業者が、従業者でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用時に取り決め、例えば違約金についての定めをおくなどの措置を講ずべきこととするものである。
3) 基準第3項は、介護支援専門員及び居宅サービス計画に位置付けた各居宅サービスの担当者が課題分析情報等を通じて利用者の有する問題点や解決すべき課題等の個人情報を共有するためには、あらかじめ、文書により利用者及びその家族から同意を得る必要があることを規定したものであるが、この同意については、指定居宅介護支援事業者が、指定居宅介護支援開始時に、利用者及びその家族の代表から、連携するサービス担当者間で個人情報を用いることについて包括的に同意を得ることで足りるものである。

1)ケアマネ機関の職員には秘密保持の義務があります。

2)ケアマネ機関は職員がやめた後も知りえた秘密を漏らさないよう対策を講じておかねばなりません。

3)サービス担当者会議で利用者の個人情報を共有することについては、ケアマネが最初に同意を得ておけばよいです。

      (16)居宅サービス事業者等からの利益収受の禁止等

原文

対訳
1) 基準第25条第1項は、指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員が利用者に利益誘導のために特定の居宅サービス事業者等によるサービスを利用すべき旨の指示等を行うことを禁じた規定である。これは、例えば、指定居宅介護支援事業者又は介護支援専門員が、同一法人系列の居宅サービス事業者のみを利用するように指示すること等により、事実上他の居宅サービス事業者の利用が妨げられることとなり、居宅介護支援の公正中立性や利用者のサービス選択の自由が損ねられることを防止するための規定である。
2) 基準第25条第2項は、居宅介護支援の公正中立性を確保するために、指定居宅介護支援事業者及びその従業者が、利用者に対して特定の居宅サービス事業者等によるサービスを利用させることの対償として、当該居宅サービス事業者等から、金品その他の財産上の利益を収受してはならないこととしたものである。

1)ケアマネは特定のサービス事業者の利益誘導を図ってはいけません。

2)ケアマネはサービス事業者からバックマージンをとってはいけません。

      (17)苦情処理

原文

対訳
1) 基準第26条第1項は、利用者の保護及び適切かつ円滑な指定居宅介護支援、指定居宅サービス等の利用に資するため、自ら提供した指定居宅介護支援又は自らが居宅サービス計画に位置付けた指定居宅サービス等に対 する利用者からの苦情に迅速かつ適切に対応しなければならないこととしたものである。具体的には、指定居宅介護支援等についての苦情の場合に は、当該事業者は、利用者や指定居宅サービス事業者等から事情を聞き、苦情に係る問題点を把握の上、対応策を検討し必要に応じて利用者に説明 しなければならないものである。
 なお、介護保険法第23条の規定に基づき、市町村から居宅サービス計画の提出を求められた場合には、基準第26条第2項の規定に基づいて、その求めに応じなければならないものである。
2) 基準第2項は、介護保険法上、苦情処理に関する業務を行うことが位置付けられている国民健康保険団体連合会のみならず、住民に最も身近な行政庁である市町村が、一次的には居宅サービス等に関する苦情に対応することが多くなることと考えられることから、市町村についても国民健康保険団体連合会と同様に、指定居宅介護支援事業者に対する苦情に関する調査や指導、助言を行えることを運営基準上、明確にしたものである。
3) なお、指定居宅介護支援事業者は、当該事業所における苦情を処理するために講ずる措置の概要について明らかにし、相談窓口の連絡先、苦情処理の体制及び手順等を利用申込者にサービスの内容を説明する文書に記載するとともに、事業所に掲示するべきものである。

1)ケアマネはサービス事業者への苦情に迅速かつ適切に対応しなければなりません。

1’)市町村からケアプランの提出を求められたときは応じなければなりません。

2)市町村・国保連はケアマネに対する苦情に関して調査、指導、助言を行うことができます。

3)ケアマネ機関は苦情処理の具体的手順をパンフレットおよび掲示で利用者に知らせなければなりません。

      (18)事故発生時の対応

原文

対訳
 基準第27条は、利用者が安心して指定居宅介護支援の提供を受けられるよう事故発生時の速やかな対応を規定したものである。指定居宅介護支援事業者は、利用者に対する指定居宅介護支援の提供により事故が発生した場合には、市町村、当該利用者の家族等に連絡し、必要な措置を講じるべきこととするとともに、利用者に対する指定居宅介護支援の提供により賠償すべき事故が発生した場合には、損害賠償を速やかに行うべきこととしたものである。
 このほか、以下の点に留意されたい。
1) 指定居宅介護支援事業者は、利用者に対する指定居宅介護支援の提供により事故が発生した場合の対応方法について、あらかじめ定めておくことが望ましい。
2) 指定居宅介護支援事業者は、賠償すべき事態となった場合には、速やかに賠償しなければならない。そのため、事業者は損害賠償保険に加入しておくか若しくは賠償資力を有することが望ましい。
3) 指定居宅介護支援事業者は、事故が生じた際にはその原因を解明し、再発生を防ぐための対策を講じる

指定居宅介護支援で事故が起こった時には速やかに市町村・家族に連絡しなければなりません。また損害賠償の責任もあります。

1)事故発生時のマニュアルをつくっておくべきです。

2)損害賠償保険に入っておくべきです。

3)事故の原因究明と再発防止策を講じなければなりません。

      (19)会計の区分

原文

対訳
 基準第28条は、指定居宅介護支援事業者に係る会計の区分について定めたものである。なお、具体的な会計処理の方法等については、別に通知するところによるものである 左のとおり

      (20)記録の整備

原文

対訳
 基準第29条第2項は、少なくとも次に掲げる記録をその完結の日から2年間備えておかなければならないこととしたものである。
1) 指定居宅サービス事業者等との連絡調整に関する記録
2) 個々の利用者ごとに次の事項を編綴した居宅介護支援台帳
イ.課題分析
ロ.居宅サービス計画
ハ.サービス担当者会議等記録
ニ.居宅サービス計画作成後の継続したサービス実施状況等の把握の記録
3) 基準第16条に係る市町村への通知に係る記録

記録の保存機関は完結日から2年間です。

1) 指定居宅サービス事業者等との連絡調整に関する記録
2) 個々の利用者ごとに次の事項を編綴した居宅介護支援台帳
イ.課題分析
ロ.居宅サービス計画
ハ.サービス担当者会議等記録
ニ.居宅サービス計画作成後の継続したサービス実施状況等の把握の記録
3) 基準第16条に係る市町村への通知に係る記録

4. 基準該当居宅介護支援に関する基準


原文 対訳
 基準第1章から第3章(第14条及び第26条第4項を除く。)の規定は、基準該当居宅介護支援の事業について準用されるため、1から3まで(「基本方針」「人員に関する基準」及び「運営に関する基準」)を参照されたい。この場合において、準用される基準第10条第1項の規定は、基準該当居宅介護支援事業者が利用者から受領する利用料と、原則として特例居宅介護サービス計画費又は特例居宅支援サービス計画費との間に不合理な差異が生じることを禁ずることにより、基準該当居宅介護支援についても原則として利用者負担が生じないこととする趣旨であることに留意されたい。 基準該当居宅介護支援についても今までのべてきたとおりです。

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