(C)TWO-WAY/道徳/中学校/力がある教材/大平光代さんの授業
染谷幸二の「道徳」のページ2
大平光代さん(『だから、あなたも生きぬいて』の著者)の授業
大平光代さんの顔写真を提示した。(著書の表紙をコピーした)
「大平光代さん 34歳」と板書した。
| 発問1 大平さんの職業は、何でしょうか。 |
正解は「弁護士」である。
日本である資格試験の中で最も難しいといわれている試験が「司法試験」である。
有名な大学を優秀な成績で卒業した人でも、10回受験しても合格しない人がたくさんいる。
それほど難しい試験である。
大平さんは、見事、1回でその試験を合格した。
| 発問2 大平さんは高校には行っていません。 もちろん、大学にも行っていません。 では、なぜ、大平さんは高校に行かなかったのでしょうか。 |
正解は中学校時代の「いじめ」である。
転校した中学校で「いじめ」にあったのある。
それは、すさまじい「いじめ」であった。
トイレに入っている時に上から水をかけられたり、学級の生徒全員に無視されたりしたという。
| 発問3 大平さんは、いじめられていた生徒に、いたずら電話事件の犯人に させられてしまいました。 そのことを悔しく思った大平さんは、ある行動に出ます。 それは何でしょうか。 |
正解は「割腹自殺」。
橋の下で自殺を図りましたが、死にきれず、救急車で病院に運ばれた。
退院後も、いじめは続いた。
それが原因で学校にも行けなくなり、生活も荒れ始めた。
家でも、家族に暴力を振るうようになった。
両親だけではなく、優しく育ててくれたおばあちゃんまでも暴力の標的になった。
家にもいづらくなり、とうとう家出。
16歳で暴力団の妻になってしまった。
このことを、大平さんは著書で「深く反省し後悔しています」と述べている。
| 発問4 17歳の時、大平さんはあることをしました。 何をしたのでしょうか。 |
正解は「入れ墨」。
背中に、観音様と蛇の入れ墨を入れた。
| 発問5 そのとき、大平さんは自分の両親に何をしてほしいと思ったので しょうか。 |
正解は「怒ってほしい」。
| 発問6 22歳の時、大平さんは自分の過ちに気づきます。 何がきっかけで、自分の過ちに気づいたのでしょうか。 |
正解は「真剣に怒られたから」。
実父の友人である大平浩三郎さん(養父)に怒鳴られたのがきっかけであった。
町で偶然会い、喫茶店で「あんただけが悪いのではない」と言われた。
真剣に寄り添ってくれる大平浩三郎さんが心の支えてとなり、心を入れ替えた。
| 発問7 このことをきっかけに、大平さんは勉強を始めます。 でも、中学校しか卒業していません。 漢字も英語も、満足には読めません。 勉強を始めるに当たって1番最初にしたことは何ですか。 |
正解は「辞書を引くこと」。
自分1人で勉強するには、辞書が先生になる。
漢字は漢和辞典で、英語は英和辞典で1字1字調べて勉強したという。
資料1(北海道新聞 2000年4月30日朝刊)を配布した。
| 指示1 大平さんを紹介した新聞記事を読んでみましょう。 |
私がゆっくりと読み始めた。
生徒は、真剣に聞いていた。
資料2(ビデオテープ)を、手にして言った。
| 指示2 5月5日、『徹子の部屋』に大平さんが出演しました。 そのビデオを見てもらいます。 時間は20分間です。 |
約20分間、生徒の視線は画面に集中した。
視聴後、感想記入用紙を配布した。
| 指示3 今日の授業の感想を書いてください。 |
約5分間、教室には鉛筆が動く音だけがした。
感想には「感動した」「私も強い人間になりたい」「イジメは絶対に良くない」という言葉が並んだ。
この授業後、35人中21人が大平さんの著書『だから、あなたも生きぬいて』を読んだ。