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『電池が切れるまで』を使って「生きる意味」を伝える



染谷幸二(TOSSオホーツク中学)

 『電池が切れるまで』(角川書店)を使った授業である。この本には、長野県立子ども病院の院内学級で学ぶ子どもたちの詩が紹介されている。小さな体で精一杯病気と闘いう子どもたちの言葉から命の大切さを伝えるには最適の実践である。29名中26名が「5」の評定をつけた。


 『電池が切れるまで』(角川書店)の資料1『ほたる』(28ページ)を配布した。
私が2回読んだ後、作者名と学年を確認した後、次のように聞いた。

発問1 この詩から、宮越由貴奈さんはどんな小学生だと思いますか。プリントの余白に書きなさい。

2分ほど時間をとった。その後、書けた生徒に自由に発表させた。
「身体に障害を持った小学生」
「目が見えない小学生」
「ほたるが好きな優しい小学生」など、12個の意見が出た。

次に、資料2『きょうだい』(44ページ)を配布した。
全員の手元にプリントが届いたのを確認して、私が読んだ。この詩は、『ほたる』の1年前に書いた作品である。

発問2 宮越由貴奈さんは、どこでこの詩を書きましたか。

すぐに「病院」という答えが返ってきた。4行目に「びょういん」とある。

発問3 由貴奈さんの病気は軽いですか、重いですか。その理由を詩の中から探しなさい。

すぐに「重い!」と返ってきた。
「何行目から分かりますか?」と聞いたところ、2つの答えが返ってきた。
      5行目   まどごしでしか 会えない
     11行目   早くがいはくしたいな。
 「神経芽細胞腫」と板書した。

説明1 由貴奈さんは5歳で発病し、11歳で短い生涯を終えました。
     紹介した2つの詩は、由貴奈さんが入院していた長野県立子ども病院にある院内学級の授業で書いた詩    です。
     由貴奈さんは入院中でも勉強ができる院内学級が大好きでした。

資料3『ゆきなちゃん』(10ページ)を配布した。全員の手元に届いたことを確認し、私が読んだ。
これは、由貴奈さんと同じ院内学級で学んだ田村由香さんの作品である。
この作品から、由貴奈さんの人間像が浮かびあがってくる。

指示1 この『命』という詩を読んで、思ったこと、感じたことを自由に発表しなさい。

2分ほど時間をとった。その後、書けた生徒に自由に発表させた。
「気持ちがしっかりとした小学生だったことがわかった」
「周囲に明るく振る舞っても、本当は辛い闘病生活だったことがわかった」
「辛い入院生活の中でも希望を捨てていなかったことがわかった」
など、10個の意見が出た。
資料4『プラス思考』(48ページ)を配布し、私が読んだ。

指示2 この詩からわかることを、プリントの余白に書きなさい。

これは、高校2年生の上原久美子さんの作品である。上原さんは闘病生活を続ける小学4年生に励まされ続けた思いを書いた作品である。年齢や学年をこえて、多くの闘病仲間に元気と勇気を与え続けた由貴奈さんの姿が目に浮かんできた。

資料5『命』(8ページ)を配布し、私が読んだ。
生徒は真剣に聞いていた。涙を流して聞いていた生徒もいた。

資料6『思い』(133ページ)を配布し、私が読んだ。これは、院内学級の担任である山本厚男先生が書いた文章である。全部で15ページになるため、途中を省略してB4版3枚にまとめた。長い文章であるが、集中して最後まで聞いていた。

指示3 授業の感想を「感想記入用紙」に書きなさい。

10分間、鉛筆が動く音だけが聞こえた。


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