大和証券の金融庁への「事故報告」

サイト掲載: 2010年 11月 08日

まず、大和証券が行った金融庁長官に対して行った「事故連絡書」を紹介する。

平成19年2月20日付のこの事故連絡書によれば、次のようになっている。

事故連絡書(平成19年02月20日)

事故発覚年月日   平成19年2月13日
発見の端緒     平成19年2月13日 顧客からの問合せ

平成19年3月20日付の事故顛末報告書によれば、次のようになっている。

事故顛末報告書(平成19年03月20日)

事故発覚年月日   平成19年2月13日
発見の端緒     平成19年1月31日 顧客からの問合せ

事故顛末報告書(平成19年05月29日)

事故顛末報告書(平成19年09月18日)


疑問

 「発見の端緒」が、異なるということはどういうことなのだろうか。
 発見の端緒という平成19年1月31日から、2月9日までの間に、当該女性従業員から、金を詐取された被害者は多数あることが、訴訟で判明している。
 そうすると、顧客からの問合せがあったのに、大和証券は、何もせず、当該従業員に通常業務を行わせていたということなのだろうか。

 3月20日付の事故顛末報告書によれば、「平成18年8月」の社内監査において複数の担当顧客にいて上席者による確認を要するとの指摘を受けたことから、コンプライアンス部員を釧路支店に派遣の上調査を行っておりました。 調査中の、(黒塗り)2月13日に、コンプライアンス部へ呼び寄せて事情聴取を行った。」とある。
 これによれば、女性従業員に対する監査は、平成18年8月から、平成19年2月13日まで、調査中であったと読める。
 しかし、大和証券が、損害賠償をしないと言っている顧客の大半は、この監査中に被害にあっているのである。


犯罪の内容

 大和証券の区分による犯罪は、次のような内容となっている。

不都合行為(窃盗)   4件
無断売買       10件
不都合行為(詐取)  22件
未確認売買       3件
金銭貸借        1件
不都合行為(横領)  11件
虚偽表示        1件

これだけの犯罪行為を行った女性従業員を、大和証券が告訴し、刑事処罰を求めないのはどういう理由からなのだろうか。