2007年1月11日
落とした財布にカードが?誰のもの?

サイト掲載: 2007年 1月 12日

 財布を落とした女性が相談にきた。
 最初は、財布の中にカードを入れていないと思っていたがカードや保険証もいれていたという。
 カードの中には、夫名義カードの家族カードもあった。
 個人ではなく法人名義のものもあった。
 落とした2日後に、高額のカードの利用があったことから、カード会社から連絡があり、カードが不正利用されたことが判明した。
 個人名義のカードは、これまで全く利用していなかった。
 法人カードは、経費で処理できるものに利用していただけで、利用金額は1〜2万円前後であり、多いときでも数万円程度だった。
 ところが、法人カードでは、945,000円という高額の時計とハンドバックが購入されていた。利用限度額の200万円ぎりぎりまで利用されたのだった。

 その他にも2通のカードが不正利用されていたが、それらについて、保険で処理されたということで、責任を追及されることはなかった。

 しかし、アメリカン・エキスプレスのカードだけは、カードの不正利用を認めようとしないということで相談にきたのだ。

 いずれのカードも男性が利用しているようだったという。防犯カメラにその像が残っていたという。女性も一緒だったのもあるということだ。

 利用の仕方があまりにも手慣れていると思う。

 私は、相談にきた女性に、「カードは誰のものだと思います?」と聞いた。
 その女性は、何を聞くの?という感じで、「私のものでしょう」と言った。
 私は、「それは違うの。カードはカード会社のものなの。だから、自分のものではないので大切に保管し定められたような利用の仕方をしなければならないとういことなの」と言うと、「最初から、そう言ってくれれば、私だってもっと気をつけてカードを保管したかもしれないのに」と言った。

 カード利用には、「承認」という制度がある。
 それまで何年も、せいぜい数万円程度のものの購入にしか利用されていないカードが、たった一度で総額200万円ぎりぎりまで利用されるということは、異常な利用の仕方である。まして、男性が利用したというなら、なおさらである。
 男性にしろ女性にしろ、利用の仕方に不審があれば、「自動車の免許証」の提示でも求めればよい。名前と写真がきちんとのっている。
 相談にきた女性は、3人の子どもがいるという。
 一番上は10歳だという。
 私は、その女性に、子どもさんについて、カードの危険性をきちんとわかるようにしたほうがよいということを話した。
 子どもが成人してからでは遅い。子どもさんが、中学、高校のときにも、,親のカードを持ち出して使う危険性がある。さらには、子どもが、その友達などから、脅かされたり、泣きつかれたりして、カードを持ち出して不正利用させられてしまうという危険性もある。
 カードの保管、カードの利用は、本当にきちんとしなければならないのよ。
 という話しをした。
カードというような危険なものを作ったのは、カード会社である。
その危険性をきちんと教えることなく、不正利用された場合にも、その責任を追及するということは許されないと思う。
アメリカには、カード真実法という法律があり、カードの不正利用の場合には、50ドルルールというものがあり、50ドルまでしか責任を問われないということになっていると記憶する。
日本では、カードの危険性を教えることなく、不正利用の責任だけをカード所持人に負わせることになってしまう。消費者保護ということが叫ばれて久しいが、このようなことが長く許されるべきではない。本当にカードの不正利用をした人を処罰することこそが必要だと思う。