2007年10月27日
突然、養子縁組をされた!

サイト掲載: 2007年 10月 27日

 S氏は、10月5日、区役所から全く知らない男性とき「養子縁組」が成立しましたという封書を受け取ったという。
 驚いて役所に行ったところ、10月3日に養子縁組届けが出されていた。
 養子縁組届けには、「委任状」が付けられていたが、その委任状のS氏の名前は間違って書かれていた。
 ○○○章という名前だが、○○○意というように書かれていた。
 役所の人に聴いたところ、窓口に来た人が、本人が、手を怪我していてうまく書けなかったと言ったという。
 役所で応対した人は、「役所には落ち度はない」と断言したという。
 養父となっている人も、養子縁組届けに書かれている「証人」になっている人も、全く知らない人だという。
「あんたが、金をかけて養子縁組の無効の手続きをせよ!」
役所の人は、裁判所に無効の手続きをするほかないと言ったという。
S氏は、役所が、名前が違っている「委任状」を受け付けておいて、「謝罪」の一言もなく、お金をかけて裁判所に手続きをするしかないと言われてショックを受けた。

「もうワシの息子と違うのか?」

 S氏は、 役所や裁判所をたらい回しにされ、職場でも肩身の狭い思いをし、もうどうでもいいかなと諦めかけた。
 父親は、「もうワシの息子違うんか……」 と呟いた。
 そして、父の怒りと寂しさが入り混じったような姿を見て、絶対に泣き寝入りはしないと、自らをもう一度奮い立たせたという。
 そして、養子縁組については刑事の勧めもあり、家庭裁判所に無効の調停を申請した。

「弁護士に相談したが、引き受けられないと言われた!」

二人の弁護士に相談したという。
二人とも、勝てるかもしれないが、国相手なので難しいかも?勝てたところ で5〜10万円しか取れないと思うし、国相手に喧嘩したくないので、引き受けてくれる弁護士はいないんじゃないか。と言われたという。
 S氏は、「お金などどうでもよくて、相手が非を認めて謝罪することと、戸籍を元通りに戻してくれればそれでいいのですが・・・」と言っている。
自分が知らない間に、戸籍が変更されるなどということは許されることではない。
なんのための役所なのか、年金よりも重大な問題だ。
それについて、市役所(区役所)の対応、警察の対応はひどすぎる。勿論、弁護士の対応も。
これでは、国家の根幹が揺るぎかねないことに危機を抱くべきではないか。

「役所の無責任!」

委任状の名前が違っているのに、そのまま受け付けるという役所の職務怠慢は許されない。
 誰が自分の名前を間違えるだろうか。
 一応、届け出書を預かり、本人に確認する位の対応をすべきではなかろうか。
 S氏が、裁判所で「養子縁組無効」が認められても、戸籍にはその記載が残る。
「養子縁組無効」の記載が残っている戸籍謄本を見た人は、本人が全く知らない間に勝手にやられたと思うだろうか。
 何かトラブルがあったのだろうと推測するのか普通だ。

 戸籍法24条には、「戸籍の記載が、法律上許されないものであること又はその記載に錯誤もしくは遺漏があることを発見したもの場合には、市町村長は、遅滞なく届出人又は届出事件の本人にその旨を通知しなければならない。」という規定がある。
委任状の名前が間違っているのに、誤って「届出」を受理してしまった役所は、この規定にのっとって、自ら手続きを行わねばならないのではなかろうか。
なんの「問題もない」と言い切る役所の神経には、あきれるほかない。

「私文書偽造・同行使、公正証書原本不実記載同行使!」
という犯罪が明確でも警察は何もしない?

 S氏の事件は、正に、「私文書偽造・同行使、公正証書原本不実記載・同行使」という重大な犯罪である。
「私文書偽造は懲役3月以上5年以下で、同行使の同一の刑、公正証書原本不実記載は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金で同行使も同一の刑」で処罰される。
 戸籍の管理は、国が責任をもって行っていると、思っている。
 しかし、この戸籍が「ぐちゃぐちゃ」にされているのが、現在の日本である。
婚姻届けにしろ、養子縁組届けにしろ、その届けに記載されていることが間違いないという意味で「証人」二人が届書に署名・押印する。
しかし、S氏が全く知らない人が、届書に証人として署名・押印しているということは、それらの人は、やはり、養子縁組をした人と共犯ということになり、重く処罰される。
このような国家の根本に対する重大な犯罪について、警察が、なんの興味を示すことなく、裁判所に無効の申立てをすることを指示するだけということは、どういうことなのだろうか。
 このような重大な犯罪に対しては、断固として思い刑罰を科すべきではないだろうか。