銀行に、年金が差し押さえられた!
銀行は、年金を差押えてもいいの?

サイト掲載: 2007年 12月 29日

 B男さん夫婦は、自営業を営んでいたが、取引先から、手形のジャンプを断られ事業の継続ができなくなった。

 銀行と商工ローンやクレジットなどの支払ができなくなった。
 弁護士に相談をして、特定調停の申立てをした。

 特定調停の申立てをして裁判所で調査期日が開かれた。

 B男さん夫婦は、事業の継続ができないことから、支払の目途はなかった。
 特定調停は、なんとか支払うという方向での解決が目的とされていることから、全く支払の目途がないB男さん夫婦は、特定調停では、解決ができないと言われた。

 私のところに相談にきた。

 一通り事情をきいた。

私 「これから生活はどうするの?」

B男さん 「全く収入目途がないので………」

私 「年金はないの?」

B男さん 「二月で14万円ほどあります」

私 「一月7万円では生活できないわよね」

B男さん 「それが、銀行に押さえらたんです」

私 「えっ。年金だけ入れている預金口座なの?」

B男さん 「はい、裁判所から特定調停の書類が銀行に行ったすぐに、年金をもらっている口座から預金が出さなくなったんです。聴いたら、預金がロックされて引き出せないといわれたんです」

 私は、B男さんの預金通帳を見た。年金以外の振込は一切なかった。
 私は、あまりのことに驚いた。
 銀行に電話をした。

私 「あのね、年金は差押えが禁止されていることは知っているでしょう?」
担当者 「はい」

私 「なんで、年金しか入れていない預金口座をロックして引き出せなくしたの?
担当者 「誰のことでしょうか?」

私 「B男さん。口座番号は○○○○」
担当者 「ちょっと調べてみます。」

 約10分位して銀行から電話がきた。

担当者 「あの、年金の口座はロックしてはいけないことになっているのですが、間違ってロックしてしまったということです。本店に相談をして、すぐに解除することにしました」


感 想

 銀行初め金融機関は、安全確実な年金を受け取るために、「口座を開設してください」と勧誘をする。

 銀行は、年金が差押え禁止であることは百も承知、二百も合点のはずだ。しかし、年金が振り込まれている預金口座を、未だに、ロックしてしまうということを、平然とやっている。

 金融機関は、人に「安心・確実」と言って勧誘しながら、事実上、貸金の「担保」としているのだ。
 このようなことが許されていいはずがない。