『アイフル』未成年者から母親の借金を集金!

A子(昭和35年生・40歳)は、昭和59年に離婚し、女の子一人を引き取った。
 離婚後の生活のため、サラ金からお金を借りた。懸命に支払ってきたが、約定返済が困難になり、平成11年の9月ころから、約定返済日に支払えなくなった。
 A子は、夜働いていたことから、午後5時半ころからは、17歳の高校生の娘B子が一人で留守番をしていた。
 約2ケ月の支払いの遅れがあったアイフルの担当者は、平成12年1月6日午後6時ころ、A子の家に督促のためにきた。B子とアイフル担当者(男性)とは、次のような話をしたという。

「おかあさん、いますか?」

「今、いないんですけど」

「何時ころ帰ってくるのかな?」

「ちょっと、わからないんですけど」

「アイフルというとこだけど、お母さん、何か言っていなかった?」

「何も、言ってないです」

「支払いの期限が遅れている。こっちとしても、困っている」

「…………」

「払ってもらわないと困る」

「………」

「どうしよう。ちょっと待って下さい」

担当者は、どこかに電話をしているようだった。
玄関の扉をあけたまま、アイフル担当者は、帰ろうともせず、そこにいつづけた。B子は、一人であり、「払ってもらわないと困る」と言われて、なんだか、自分に言われたような気がしたという。
約15分近く、アイフル担当者は、何もいわずに、玄関に立っていたという。
払わないと帰ってくれないと思ったという。
払わないと、ずっといそうだと思ったという。
B子は、お年玉をもらって幾らかのお金を持っていた。
B子は、いつまでも帰らないアイフル担当者にちょっと、怖い感じがしたという。

「代わりに払います」

「ああ、そうですか?」

「幾らですか?」

「2万です」

 アイフル担当者は、明らかに未成年とわかるB子から、母親の借金の支払い金2万円を受け取って帰った。
 私は、この件について、アイフルが支払い義務のない未成年者から集金をしたことについて、行政処分の申立てをするほかないと考えている。
 私が、多重債務者の債務整理の相談を受けた中で、未成年者に親の借金の支払いをさせたという事例は、これ以前に1例あったのみである。