警察庁技官が保険証偽造
借金かさみ詐欺目的

中日新聞(2005年9月5日朝刊より)
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20050905/mng_____sya_____001.shtml

警察庁技官が保険証偽造

借金かさみ詐欺目的

 警察庁の技官がヤミ金融から金をだまし取る目的で国民健康保険証を偽造したとして、警視庁捜査二課は四日、有印公文書偽造などの疑いで、東京都杉並区和田、警察庁情報通信局通信企画課技官高橋哲也容疑者(37)と、板橋区大谷口上町、金融業苅田洋明容疑者(38)を逮捕した。

 調べでは、二人は共謀し、昨年十一月上旬ごろ高橋容疑者の自宅のパソコンで架空名義の国民健康保険証を偽造。同月中旬には苅田容疑者の事務所で架空会社名義の給与明細を偽造した疑い。

 高橋容疑者は複数の金融業者に約三百五十万円の借金があり、借金先の苅田容疑者から持ち掛けられ偽造保険証でヤミ金融などから金をだまし取ろうとしたが、見破られ失敗した。「(苅田容疑者に)金を返せず申し訳なかったのでやった」と供述しているという。

 今年六月、高橋容疑者が不自然な休日出勤をしていることを上司が問いただしたところ、犯行を自白した。

 高橋容疑者は一九八七年警察庁採用。東北管区警察局青森通信部などを経て、犯行当時は情報通信局情報技術解析課で、不正遊技機などのデータ解析を担当していた。

 ■小風明・警察庁情報通信企画課長の話 法を順守すべき警察職員が逮捕されたことは誠に遺憾であり、厳正に対処する。職員に対する指導をさらに徹底し、警察職員としての人格・識見を醸成することで再発防止に努める。




感想

 あらゆる手口による詐欺を捜査している警察官が、サラ金からの多重債務のために詐欺をするということなのだから、巧妙にやれるのだろう。

 多重債務による犯罪やそのことによる家庭破壊が看過できない状態にまできているということを示すものだと思う。警察には、多重債務によって悩んでいる人のための相談室が設けられているというが、そこに相談すると、警察内部での出世などに支障がでるなどのことからあまり相談はしないともいわれている。

このような心配のない心のケアシステムが必要だと思う。