次々と勧誘される展覧会への出品や画集の出版と有識者の責任

2007年 2月 5日

 A子さん(80歳)は、あなたの絵は素晴らしいと外国の評論家が褒めていた、是非、画集に掲載させてほしいという勧誘を、平成17年3月初めに受けた。
 当時、A子さんが属していた絵画の全国組織が1年に一度行うの展覧会は開催されていなかった。毎年6月に開催されるのだ。遊美堂と名乗る会社からの話は、少し変だと思ったが、自分もこれからどれだけの年月絵が書けるか不安に思った。そして、画集に掲載するということと、展覧会に出品するということで、33万円の契約をした。
 この支払は、契約時に13万円、全部の展覧会が終わったときに20万円を支払うという約束だった。それから、次々と同様の電話での勧誘を受けた。
 最初のものから掲載すると、次ぎのようになる。

  1. 平成17年3月 遊美堂
    画集を受け取った。油絵(10号)送り、13万円を支払、12月に油絵を返してもらう約束だったが、私が相談にのった平成18年8月には返してもらっていなかった。
  2. 平成17年4月 ハート・アートコミニュケーション(遊美堂内) 35万円
    この契約は、A子さんは全く覚えがないと言っている。訴訟になっている。
  3. A社 時期不明 12万円 画集掲載 画集が送られてきている。
  4. A社 平成17年秋〜冬ころ 画集掲載
    21万円と言われたが、払えないと言ったら割引すると言った。11万円払った。3万円を払えば前記1の10号の絵を返すと言われたが、絵は返してくれていない。遊美堂とハート・アートコミニュケーションとは同じのようだが、アート・コミニュケーションは違うようだ。 なぜ、遊美堂に渡した絵をアート・コミニュケーションが返還すると約束するのかわからない。
  5. A社 平成18年6月 展覧会出品 13万円
    絵画界では著名の画家の一周忌の展覧会なので、出品してほしいとの勧誘であった。A子さんは、その画家とは面識もなく、書いている絵の内容も違う。
  6. G社 平成18年6月 展覧会出品 129,000円
    自分では、断ったという記憶であるが、強引に電話が来た。契約書を書いた覚えがないと言ったが、業者から「ある」と言われてお金を支払ったという記憶である。
  7. 世界文藝社 平成18年9月1日ころ 展覧会出品 28万円

 株式会社アート・コミニュケーションというところからは、次ぎのようなチラシが送られてきている。

悪質業者の勧誘にご注意ください

 悪質業者の勧誘手口は以下きようなものがあります。
本気にされる方は殆どいらっしゃらないと思いますが、このような事実に反する言葉で勧誘することは法律で禁じられているばかりか道徳的にも問題があります。

(例)
  1. 定価100万円のところを今回は特別に15万円にします。
  2. 先生の作品を欧米諸国の教科書に使用。
  3. 大統領、首相クラスからの直接のご指名、推薦している、先生にお会いしたいと言っている。
  4. 先生一人だけが選ばれた。
  5. 当社あるいは有名組織や有名企業,政府の関連会社であるのような言い回し。
  6. 同業他社の悪口ばかり言う。

以上は、ほんの一例で、常識ある方が聞けば、あり得ないことだとすぐにわかります。しかし、勧誘業者の言葉は巧みであり、その手口は日毎にエスカレートしています。価格や事実関係は契約を受ける前によく調査されることを強くお勧めします。 先生だけが割引と言っておきながら、実際には全員が同価格にて契約させられている事実が発覚しています。
 教材に使用されるのち費用がかかるのもおかしな話です。
 国家を代表する要識者(有識者の間違い?)からの依頼であれば、外務省、大使館から直接依頼されますので、業者が仲介することはありません。
 当然ですが、人の悪口ばかり言う人間、企業は信用できません。
 その他、書類に明記されていない事柄は信用できません。
 弊社ではこのような非道徳的行為を撲滅すべく努力しております。
 事実関係は弊社でもお調べすることができます。お断りしているにも関わらず何度も勧誘があるなど、お困りの場合も,お気軽にご相談下さいませ。

株式会社アート・コミニュケーション(以上)

 この「ご注意」という書面を読むと、まさに、ここに記載されているとおりの勧誘で、次々と出品料名目や、画集掲載などの名目で金を払わされている。

 私は、このような事例では、その分野の有識者、権威者に大きな責任があると思う。権威付けのために、多分、破格の対価を得て、「歯の浮くような推薦文」などを載せているのだろう。
トラブルとなっても、関係段階から出入り禁止などの要望を受けたことはないというが、そのような団体に関与している人が、破格の収入を得ていることと無関係ではないのではないだろうか。