政府系金融機関こそ、担保主義脱却を!
国は「国民の基本的人権、幸福追求の権利を否定する個人保証の全面禁止!」を宣言せよ。



 4月29日付日本経済新聞は、「日本銀行は、28日、銀行の経営改善に向けた提言をまとめた」との報道をしている。

 その内容として、「担保主義から脱した新たな融資の拡大や、企業再生に迅速に取り組むための態勢整備を促す内容で、貸出姿勢やリスク管理の面から5つの考え方を示している」としている。

 日本銀行は、いわゆる大企業等の金融の再生のために、このような提言をしているのだろうが、最も、「担保主義の脱却」が必要なのは、政府系の金融機関の個人保証の禁止ではないか。


★国民生活金融公庫は、連帯保証人のとるのをやめろ!

 国民生活金融公庫は、中小の企業や自営業者のために、融資をすることをその目的としている。一般の金融機関から融資を受けられない企業が対象である。にもかかわらず、個人保証をとり、それこそサラ金より酷いような取り立てをしている。


★信用保証協会は、連帯保証人をとるのをやめろ!

 信用保証協会は、信用保証協会法により設立されており、各都道府県に1つずつあるようだ。

 信用保証協会付融資は、「公的期間の保証として絶対安全なリスク対策」となるとして、金融機関は、「マル保融資」と称して珍重している。

 信用保証協会は、「保証料」をとることにより、その経営を行うということを原則としているはずである。そのため、「保証人はいらない」、保証協会が「保証料」をとって、「公的な保証人」となっているはずである。

 にもかかわらず、保証協会付融資で、「保証料」をもらわない「保証人をつける」のが原則となっている。

 複数の保証人の間の「内部関係」においては、それぞれの保証人間の合意で内部の負担割合が決まることとなる。

 信用保証協会は、その契約書で、「保証料をもらわない」保証人が、全部の責任を負うと定めている。

 世の中の常識として、「保証料をもらって保証をする信用保証協会」と、「保証料をもらない保証人」との間で、どちらが、責任が重いのかは、子供でもわかる理屈のはずである。

 しかし、このような不条理がまかり通っているのが、この「日本」である。

 未曾有の不況の中で、「迷惑はかけない」と言われて保証人となった大勢の人が、呻吟している。

 日本銀行がいう「担保主義からの脱却」というのは、不動産等、これまで確実な担保とされていたものからの脱却ということを意味しているのだろうが、今こそ、憲法に保障された国民の基本的人権である「幸福追求の権利」を根底から否定する「個人保証の全面禁止」が必要ではなかろうか。

 特に、政府系金融機関が、国民を苦しめる存在と化している現実を直視しなければならないと思うのは私だけだろうか。