セクハラとデリヘル!

 「無店舗性風俗営業」というのが、デリバリーヘルスの法的な名称らしい。

 デリバリーヘルスの広告を満載した雑誌に書かれていることは、「セクハラ」そのものである。セクハラが法的に保護の対象となり、雇用主には、セクハラがないような労働環境を整えなければならない義務がある。

 しかし、デリヘルの基本プレーは、セクハラそのものではないか。

 性的接触には、精神的な高揚と、精神的な結びつきが「前提」とされねばならないと考える。そのような前提なしに、享楽の対象として歴史的に存在したのが、「売春」というものであった。

 昔、「花魁」と呼ばれる存在があり、戦後、「赤線」と呼ばれる売春が法的に認められていた。法的に認められていた売春には、最低の雇い主の義務があった。性病に罹患しないように、定期的に性病の診察を受けるなどだ。

 虐げられた性ではあっても、最低の法的保護があった。

 今のデリバリーヘルスは、「届出だけ」で、誰でもやれるという手軽な商売となり、ほんのわずかのお金があれば、誰でもサイドビジネスとしてやれるといううたい文句でで、雨後の筍のように、全国に広がっている。

 そこで、働く女性は、なんの保護もない。雇用保険に入っているのか、と聞くと、「アルバイト」だから入る必要がないと答えた。

 昔の売春には、親の借金や親の生活などのために、女性の意思を無視して行動の自由もなく稼働させられたという側面があったとされる。

 今の「デリヘル」は、表向き、本人が希望して働くことになっているようだ。

 日給「3万円から5万円」、月に40万円は保障するなどと書かれている。

 デリヘルで働いている人の中に、多重債務の被害者などが含まれているのではないだろうか。

 多重債務になった女性をデリヘルで働かせて、回収しているような悪質な業者はいないだろうか。

 日本は、先進国で唯一「エイズ」罹患者が増加している国だという。

 性病に罹患する人も多くなっているという。

 女性の人権をこれほどに虐げた商売が、そこで働く女性に対するなんらの国家的保護なしに、広く行われていることについて、疑義の声が出ないのはなぜなのだろうか。

 無店舗性風俗営業なるものを、法律で認めるなら、それに対応した法的な制度を確立しなければならないことは当然ではないか。

 さらに、このようなところで、あらゆるクレジットカードが利用できるとの実態についてどう考えているのだろうか。

 まさか、デリヘル業者を、加盟店にしているクレジット会社はないだろうから、デリヘル業者は、関連する業態(飲食業等)で加盟店となっているところのクレジットを利用しているのだろう。

 デリヘル利用料金とは書かれていないだろうから、飲食代などの項目でカードが利用されているのだろう。

 そのような業態でカードが利用されることに脅威はないのだろうか。

 カードの不正利用、スキミングなど、次から次へとカード被害が発生しているとき、クレジット会社は、デリヘルでカードが利用できるとの雑誌を読んで、なんらかの対策をとっているのだろうか。

2006年1月16日