サラ金から借りさせる『振り込め詐欺』

2006年 7月 25日

 先日、おそろしい相談があった。サラ金から借りさせる『振り込め詐欺』である。

 平成17年9月6日ころ、突然電話があった。

「あなたは、コンピューターのサイトを使用してその利用代金を払っていない」

「私は、コンピューターのサイトを使ってその利用代金を払っていないなどということはありません」

「あんたが、使って利用代金を払っていないから、こうやって電話しているんだよ」

などというやりとりのあと、「払う必要もないし、払う義務がない」と明確に拒否したところ、「会社に電話する」「会社に行く」などと言われたという。そして、大手サラ金に行くよう指示された。

 9月9日にこの男性は、次ぎのように借入れをして指示された口座に振り込んだ。

A社  100万円
B社  200万円
C社   50万円

 この男性は、年収が530万円で、自動車ローン以外の借金はないという。

 そしてその3日後さらに、同様の脅しを受けて又、サラ金から金を借りさせられて振り込んだ。

 D社  50万円
 E社  50万円

いずれも大手だ。なぜ、「ヨーイドン」から100万円も貸すのだろうか。

 年収の10バーセントにしても、53万円である。

 B社は、同じ日に100万円の契約をしてすぐに200万円に増額の契約をしてくれたという。

 融資については、信用情報を調査する。「問いあわせ情報」というのがあり、同一日時に、金を借りようとしていることがわかる。

 このような場合、本人の意思ではなく、何者かよって借りさせられているということがあることは、この業界では常識のはずである。

 なぜ、このような無謀な融資がなされるのか。

 反省がない!という言葉だけではすまされないように思う。

 「サラ金から金を借りさせて、振り込め詐欺をする」という新たな段階に「振り込め詐欺」も入ったということのようだ。

 簡単に「金を貸す」ということの弊害に、そろそろ気付くべきではないだろうか。