武富士に対する損害賠償認められる!
慰謝料・過払い請求・弁護士費用!

 武富士による償却済み債権の取り立てに関して、武富士の取り立てが違法である旨の理由で、行っていた訴訟について、平成13年5月8日、釧路地方裁判所は、武富士に対して、次のような判決を行った。

貸金業規制法に定める取り立て規制に
違反する取り立てを理由として慰謝料
100,000円
過払い金の返還として105,542円
弁護士費用200,000円
債務不存在の
金額として
残元金586,041円
利息・損害金2,001,225円


事件の概要
 武富士は、償却済み債権の回収で、年間80億円以上の回収を行っているが、その回収のやり方は、非常にえげつないものである。そのやり方については、このホームページに紹介済みである。その事件の判決である。

判決が認めた内容
A子は、夫に『内緒』で、昭和57年2月に金20万円を武富士から借り、だんだん増額して昭和58年9月20日には貸付け金額は70万円になっていた。A子は、当時、多額の債務を負担していたことから、約定返済が遅れがちとなった。武富士では、昭和59年3月16日、当時の帳面上の残元金に約10万円を上乗せして、金75万円を毎月7000円ずつ支払うという和解をした。A子は、その約束に従って、7000円を85回支払ったところで、集金にこなくなったため支払をしなくなった。

武富士は、平成10年から11年にかけて次のような請求をした。

平成10年9月11日付書面
残元金   142,047円
利息・損害金 1,506,272円
合計 1,648,319円

 この書面には、平成10年9月21日迄に貸金債務の一括弁済がなければ、合意管轄裁判所である東京簡易裁判所に提訴する予定であると書かれていた。
平成11年2月5日付書面
残元金   142,047円
利息・損害金 1,527,146円
合計 1,669,193円

 この書面には、平成11年2月9日迄に東京簡易裁判所に提訴する予定であると書かれていた。

○武富士は、平成11年5月18日に、A子の勤務先に電話をかけ、幾らでもいいから、すぐに、地元の武富士の支店にお金を持っていくよう指示したことから、A子は、2000円を支払った。

○武富士は、平成11年5月18日、A子に対して次のように分割弁済するよう申し出た。

返済総額弁済方法
180万円最初に50万円を支払った後130万円を
毎月5万円宛支払う
150万円最初に100万円を支払った後50万円を
毎月2万円宛支払う
130万円これを一括して支払う

○A子は、弁護士に相談した上、取引明細を送ってくれと申し出たところ、武富士は、次のような残債務があると主張するに至った。
平成11年5月18日時点の債務
残元金   586,041円
利息・損害金 2,001,225円
合計 2,587,266円

不法行為についての裁判所の判断
 貸金業規制法第21条1項は、「人を威迫し又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により債務者を困惑させる」取り立て行為を禁じているところ、武富士は、真実は、原告に対する貸金債務が存在しないにもかかわらず、計算根拠のよくわからない多額の債務の存在を繰り返し主張し、その履行をしなければ東京の裁判所に訴えるとまで告げて債務の弁済を強く督促している。このような取り立て行為は極めて悪質であり、人の私生活の平穏を害すること甚だしくその違法性は明らかである。

 武富士は、償却済み債権の取り立てに関して、大手貸金業者としては、異例のひどい取り立てをしていることは、すでに、このホームページでも紹介済みである。
 このような武富士の取り立てに対して、本件判決は、影響を与えると考えられる。