武富士元支店長
ノルマ達成のため「5億円にのぼる架空融資」で逮捕?



 平成14年6月末、フジTV系列の深夜のニュースで次のような報道があったという。

「消費者金融『武富士』の前支店長が、5億円着服で逮捕された。業務上横領の容疑で逮捕されたのは、静岡県の伊東支店前支店長、K容疑者。静岡県警は、K容疑者のほかにも共犯者がいるとみて、調べを進めている。」

 しかし、翌日のニュースでは、このようなニュースは一切報道されていないという。私もこのようなニュースを見たことはない。

 武富士は、一切ノルマはないという。ただ、「営業目標」はあるという。

 営業目標は、現在の残高の1・1%程度だという。

 50億円融資残の店舗で、純増5500万円ということになる。

 3ケ月間未達の場合は、降格ということになるという。

 どのようにしてこのような膨大な営業目標を達成するのであろうか。

 私が相談に乗った事例では、年収300万円程度の人が武富士から50万円を借り受けていたところ、1年程経過して、枠が増えたので50万円を融資するので、銀行預金口座を教えてほしい旨の電話連絡があったという。そして、「口座に50万円を送金するので、使ってほしい、もし、入らないならすぐにも返してもらっていい」と言われたという。

 あとで、契約書を書く段階で、年収を350万円と書いてほしいと言われたという。

 又、別の年収約200万円程度の20代の独身男性は、最初30万円を借りていたところ、4回程支払った段階で枠が50万円に増え、その後1年位してから、電話がきて、「100万円迄枠が増えた。50万円借り増しをして、外をつぶせるだけつぶしたらどうか」と言われて、50万円を借り増しをしたという。

 昨今、年収が200万円とか300万円位の人にも、100万円を融資する事例が増えている。それは、このような過酷な営業目標を達成するためにやっているのだろうか。