武富士エリート取締役が「支店長に暴行」の記事掲載(FRIDAY 2002年11月29日号)



 フライデーは、「業務指導と称して店内で殴られた」武富士エリート取締役が「支店長に暴行」で告訴という記事を掲載した。

同記事は、次のように報じている。

 武富士では、全国の支店で抜き打ちの業務指導を行っており、それを「臨店」と呼んでいる。今年7月23〜25日、宇都宮支店の臨店にやってきたのは、相田勝則取締役(39)だった。相田氏は、’88年の入社以来、現場一筋のたたき上げ。今年、仙台支社長として30代の若さで取締役にまで登りつめたエリートだ。

事件は、「臨店2日目の24日に起きた。

「未収(未回収)客に対しての請求行為が全体に行き届いていない。遅すぎる!」などと怒鳴りまくっていた相田氏のホコ先は、同支店の古澤正章支店長(27)に向けられた。

 武富士では、上司に話しかけられた社員は、すぐに立ち上がり、まっすぐ上司のほうを見て話を聞かなくてはならない。古澤氏はその規律に従って、相田氏の「業務指導」を神妙に聞いていた。すると、突然、脇腹にパンチが飛んできたというのだ。

古澤氏が怒りの表情で語る。

「私がなぜ殴られたのかはわかりません。しかし、私以外の社員も、「規律違反」を理由に相田氏に蹴られたり、罵詈雑言を浴びせられました。

相田氏の暴力的な「指導」は、妊娠中の女性社員に対して容赦なかった。

「相田氏が臨月に近い妊婦に、『お前みたいなバカ女は融資も取れないんだから外へティッシュ配りに行ってこい』と命令したので、私は、『妊娠中なんでやめてください』と止めました。すると、『ふざけるな。妊婦だからって腫れ物に触るような扱いをするな』といって、泣いている彼女に無理やり炎天下でのティッシュ配付をさせたんです」(古澤氏)

同日夜、その女性社員宅から、「帰宅した妻の精神状態がおかしい」との抗議電話が入ったが相田氏は、「オレはそんなこと言ってない。イヤなら辞めていいよ」とシラを切り通したという。それっきり彼女は退職してしまった。

 その後、殴られたわき腹の痛みが引かない古澤氏が病院に行ったところ、「肋軟骨骨折の疑い」の診断を受けた。(中略)


 本誌は、’00年9月8日号でも、武富士丸亀支店(香川県)での臨店の際、営業統括本部付社員が支店長に暴行をはたらいて逮捕されたことを報じている。(略式起訴処分で罰金20万円の判決)。いまだに暴力的な「業務指導」が日常的に行われているとすれば、それは、業界トップ企業のやることではない。

 武富士広報部では、次のように言っているという。

「調査の結果、相田が暴力をふるったことはありません。(中略)妊娠中の女性社員に街頭でのティッシュ配りを命じたのは事実ですが、すでに、安定期に入っていたので、むしろ健康によいと考えたからだそうです」



労働基準法はどうなっているの?

 私のホームページにも、武富士を理不尽な理由で辞めさせられたとか、辞めたという投稿が多い。

 現在の日本の労働環境の中で、失業ということがどれほど大変なことかを考えると、辞めるということが、どれほど重大なことか、を考えると、これほど簡単に「辞めさせられる」「辞める」という会社が、あることに驚いた。

 そして、これほどに働く人を大事にしない会社というものがあるのだろうか、とも思った。

 従業員を大切にしない、従業員に愛されない会社というものが、どれほど業績を上げることができるのだろうか。

 武富士は、日本を代表する高収益の企業である。

 勿論、武富士を愛し、武富士から愛されている社員もいるのだろう。

 そういう人は、私のホームページなどに投稿はしないだろう。

 武富士を辞めた人は、現在、武富士に勤めている人のためにも、働きやすい武富士になるようにしてほしいという内容が多い。

 妊娠している女性に対して、「バカ女」と言ったということが、真実なら、それは、その女性に対する大変な侮辱であるし、少子高齢化が問題となり、国を挙げて、子供を産んで育てやすい環境を作ろうとしている時、東証一部上場の会社が、このような対応しているということは、許されることではないと思うのは、私だけだろうか。