武富士が司法記者クラブの会見に無断侵入



 武富士元社員の業務上横領(書類の横領)事件の裁判後の司法記者クラブの弁護人による記者会見に、武富士社員が無断侵入したというメールがきた。

 盗聴疑惑、過剰融資と無理な回収、異常な社員支配などで問題になっている武富士をめぐるニュースをお知らせします。

 22日午後、サラ金最大手武富士の元幹部で、同社内部資料を持ち出し盗聴疑惑などを告発した元社員の第2回公判が行なわれました。元社員は、資料持ち出しが業務上横領にあたるとして起訴されていますが、被告・弁護側は「資料持ち出しは武富士の違法あるいは反社会的な業務実態を明らかにするためだった」とし、無罪を主張して争っています。

 公判後、元幹部の弁護団が司法記者クラブで会見しましたが、会見場に武富士広報部員が入り込みメモをとっていたところを見つかり、追及されるという一幕がありました。

 「所属は」と問われた恰幅のいい男は「武富士です」と明言。司法記者クラブ幹事らに「武富士広報部係長 板井健太郎」と書かれた名刺を渡したため参加していた記者はみな唖然とし、会見された弁護士の一人は「問題外だ」と不快感をあらわにしました。

 ジャーナリストを盗聴した疑いがかけられ、批判的な弁護士、記者などを次々に訴えている武富士が、よりにもよってこうした会見に勝手に入り込んでいたことは発表者、取材者の自由を脅かす由々しき問題です。記者クラブをより開かれたものに改革することは切実な論点ですが、今回の件はそれとは 異質な問題企業による不当な情報収集というほかありません。

 司法記者クラブ幹事社の共同通信社社会部の記者は、「クラブ総会を開き、武富士への抗議も検討することになるだろう」と話しています。

 それにしても、これほど社会的に批判されながら武富士が自らの置かれた立場にあまりに無自覚なのには驚くばかりです。