武富士に対する反撃ののろし!マスコミ関係者が都内で会見



 武富士から名誉棄損等の訴訟を仕掛けられているマスコミ関係者が、武富士に対する反撃ののろしをあげた。

 武富士の訴訟攻勢は、相手が弱いと思われるところに集中的に掛けられているのではないかと思わせるようなやり方だ。たとえば、同じことを新聞報道等で行っても、あるところは、名誉棄損で訴訟をされるし、あるところは、名誉棄損で莫大な金額の訴訟を提起される。あるフリージャーナリストの「ギャラ」と訴訟提起のための印紙代が同じ位というのもあったという。つまり、その取材のための対価と、武富士が提起した損害賠償事件に貼る印紙代が同じということなのだ。

 そのような武富士からの攻撃を受けている関係者が、武富士に対して反対に損害賠償訴訟等を起こすという記者会見が、平成15年11月18日、東京で行われたという。

 その発言の要旨は次のようになっているという。

Yさん (フリージャーナリスト、盗聴被害者、『ベルダ』と『創』の記事で訴えられる)

「一時は身の危険も感じた。恐喝未遂の件でも警察に事情聴取され、社会的に抹殺させかねなかった。『ベルダ』と『創』に書いた記事に対して武富士が行なった名誉毀損での提訴は完全な嫌がらせで、腹に据えかねてきた。われわれフリーはお金もなく反訴はたいへんだが、この際、弱い者同士が力を合わせ、一斉反訴したい。私は武井会長が盗聴に関わっていると思うので、捜査ではぜひ真相を究明してほしい」

Nさん (フリージャーナリスト、『創』の記事で訴えられる)

「私が『創』に書いた記事は、それまでの報道等で出た事実や警視庁、JDB等の処分にもとづく訴える余地のないもの。それを武富士は恥も外聞もなく訴えてきた。週刊文春や新潮、中日新聞など大きなところは訴えず、非力な個人を狙い撃ちにした訴訟テロであり、武富士による提訴自体が不法行為だ。あらゆる手段でたたかっていく」

Tさん (フリージャーナリスト、『週刊プレイボーイ』の記事で訴えられる)

「『週刊プレイボーイ』に警察と武富士の癒着を連載し2億円の損害賠償請求訴訟を起こされた。警視庁が非を認め警察官を処分した件まで(事実無根と訴えてきている。事実があったかなかったかと関係なく、ただ記事を出させないように高額訴訟を起こしている。法制度を利用したテロ行為だ。きついお灸をすえてやりたい」

Kさん (フリージャーナリスト、『週刊金曜日』の記事で訴えられる)

「ヤミ金被害を取材してきたが、最初からヤミ金に借りる人はいない。ヤミ金被害の入り口はサラ金だった。そこでサラ金を取材すると武富士をめぐって群を抜くクレームがあった。もちろん武富士にも取材したが答えはなく、届いたのは訴状だった。Yさんらに対する盗聴についても、『うちならやりかねない』という元従業員が何人もいる。広告と訴訟で批判が封じられた闇は深い。
こんなことを野放しにすると、日本の名誉にも関わる。社員が一番真実を報道を望んでいると思う」

Sさん (『創』編集長)

「私たちは14日、武富士対策連絡会議を結成し、弁護士さんらとも連携しているが、きょうはジャーナリズムに関わる問題を共同して訴えることにした。
雑誌ジャーナリズムはフリーが支えているが、フリーはみな経済的に苦しい。そこに高額の損害賠償請求訴訟を起こすのは明らかな圧力だ。放置しておくと、同じようなことがどんどん増える。ジャーナリズムの問題として、武富士による圧力を見過ごすことはできない。Yさんと『創』は今週中にも訴えを起こしたい」