武富士、集団指導体制に内部告発制度を新設
「日本経済新聞」報道



 武富士の今後の営業方針等について、武富士の清川社長が日本経済新聞の記者と面談し、次のような経営改革を進めるとの考えを明らかにしたと、日本経済新聞が報じている(平成15年12月13日付け)

武富士、集団指導体制に内部告発制度を新設
前会長との関係「多角的に検討」

 盗聴事件で、創業者の武井保雄氏が代表取締役会長を辞任した武富士の清川昭社長は、12日、日本経済新聞記者と会い、常務会などを設置して集団指導体制に移行し、経営改革を進める考えを明らかにした。武井氏が顧問や相談役などに就くことはないとし、コンプライアンス(法令順守)強化策では、内部告発制度を設ける。

 清川氏は「(業務運営上)従来は何でも難しいことは武井氏に聞いて決定していた」というが、今後は、「多くの人と議論を進めて透明性を確保する」と述べた。常務会は、少なくとも月1回は開く。部課長レベルでも交流を深め、業務が一部に集中し、密室状態で不正な行為が起こるのを防ぐ。従業員から告発を受け付ける制度を設け早い段階で不祥事の芽を摘む。昨年設置した法令順守委員会には外部有識者を招聘し、各部署に責任者を置いて機能を高める。

武井氏が顧問や相談役などに就任することはないとし、経営から完全に退いたとき考えを示した。ただ、武井ファミリーで65バーセント以上の株式を保有しているために影響力が残るという見方は強い。武井氏との関係は、株式の保有動向などを含め「多角的に検討する」と述べるにとどまった。

事件が業績へ及ぼす影響については、「現時点では新規顧客が1割弱減った」と明かしたが、資金繰りについては「問題がない」とした。

テレビコマーシャル、街頭での宣言入りティッシュ配布は少なくとも年内は自粛する方針。事業運営では「豊富な資金力を生かし、保険業務など様々な可能性を探る」とし、今後の拡大戦略に意欲を見せた。