同時ルポ 武富士裁判60
依頼人の請求を「当社が取り下げ」
武富士の今さん攻撃に新証拠



 週刊金曜日「同時ルポ 武富士裁判60」(2004/11/12号)に次のような記事が掲載された。

依頼人の請求を「当社が取り下げ」
武富士の今さん攻撃に新証拠

 人は自分に合わせて他人を「理解」するという。10月8日に開かれた『武富士の闇を暴く』をめぐる名誉毀損訴訟口頭弁論で、武富士の近藤光専務は、「宇都宮(健児)弁護士から話があり和解交渉をしたが、高い金を要求されたので決裂した」旨証言した。

 だが、宇都宮弁護士らは金よりも何よりも、不当提訴への謝罪と再発防止を求めたのだ。すべてカネでしか考えられない武富士にはあきれるが、ならば真実を公開しよう。

 4月15日に開かれた弁護士グループとの「和解交渉」で、武富士代理人・田宮甫弁護士は「『闇を暴く訴訟』についての要求について」と題する文書を提出。名誉毀損訴訟と反訴との双方取り下げ等を求めたうえ、「今(瞭美)弁護士と鈴木(武志)弁護士間での、刑事告訴・懲戒請求の取下げを相互に行う(当社の今弁護士に対する懲戒請求も取り下げる)」と提案した。

 はて? 今弁護士への告訴や懲戒請求は、今弁護士の依頼人が申し立てたはず。それをなぜ「当社」が取り下げられるのか。今さんへの告訴や懲戒請求が、依頼人を使った武富士のヤラセだったと自認したも同然ではないか。

 今さんへの刑事告訴代理人・鈴木武志、澤新両弁護士は「弁護士は正当な職務慣行又は信義に反して他の弁護士を不利益に陥れてはならない」という弁護士倫理第44条をどう読まれるのだろうか。

(ジャーナリスト 北健一)




感想

 武富士という巨大企業は、なんでも自分の思いどおりになると思っているのだろうか。

 依頼者に対する守秘義務ということについては、どのように考えているのだろうか。

 多重債務者が依頼者の場合は、そのことが世間に知られること自体、大変な名誉毀損であると考えるが。

 武富士被害対策弁護団と、武富士とが話し合って、鈴木武志弁護士の依頼者の事件まで、武富士が取り下げるというのは、どのように理解すればいいのだろうか。

理解困難なことがおおい。