武富士の不正入金処理に関して、行政処分の申立て

 武富士による不正入金処理については、すでに、京都の福知山支店において、過払い金返還及び損害賠償請求訴訟が継続しているが、この度、釧路支店においても、ひどい、不正入金処理が発覚した。

 そのため、関東財務局への行政処分の申立て、全国貸金業協会連合会に苦情処理の申立てをした。

 また、民事訴訟も提起する予定である。

 A子さんは、今年2月、どうしても支払えなかったことから、「支払えない」と言ったところ、ひどいことを言われたため、弁護士に相談したと言っている。

このように、本人が支払ったお金を勝手に処理しながら、厳しい督促をするというのはどういうことなのだろうか。

申告の趣旨

 被申告人には、貸金業規制等に関する法律第13条2項に違反する行為があるので、同法第36条1項に基づきその業務の停止を求める。


申告の事実


第1、事実経過

1、A氏(北海道○○郡○○町○○条○丁目○○番地)は、昭和59年12月3日、被申告人釧路支店から金25万円を借り、平成16年2月3日まで支払をしていました。

 弁護士今瞭美は、平成16年2月、A氏から相談を受け、2月5日付の「介入通知」で、被申告人に大略次のような内容の書面を出した。

 A氏の次男であるB氏(昭和41年生)は、10年位前に家をでたまま現在に至るもなんの連絡もない状況だとのことです。ところが、B氏がいなくなってから、B氏の分を支払ってほしい旨被申告人から電話で言われて、母親のA氏は、自分や夫分の支払が被申告人に対しても毎月4万円以上もあったのに、相当回数、支払わされたとのことです。(中略)

 A氏は、20年位前から、被申告人から金員を借りて今日まで約定返済をしているとのことです。

 また、A氏は、被申告人から言われて、B氏分を相当回数支払ったとのことです。

 よって、A氏と貴社との間の取引の当初からの取引明細と利息制限法による元本充当計算の計算書を平成16年2月末日までに当職宛に送付して下さい。また、A氏が支払ったB氏分の明細を当職宛に送付してください。


2、被申告人は、前記「介入通知」を出した後、A氏の「取引履歴」を開示した(資料1・取引履歴照会表)。

 ところが、被申告人が、開示した「取引履歴」は、現実に、A氏が被申告人に支払った明細と著しく異なるもでありました。

 A氏が、保管していた銀行の振込控と、被申告人が開示した取引履歴は、別紙「被申告人開示履歴・本人入金比較表」のとおりであります(資料2)。

 この表は、次のようになっています。

 この表の「弁済額(1)」に記載されている金額は、被申告人からA氏の「取引履歴」として開示された「取引履歴照会表」の「入金合計」欄に記載されている金額です。

 「弁済額(2)」の中で、白地抜きとなっているものは、A氏が、「銀行の振込控」を所持しているものであります。

 備考欄の「開示履歴なし」は、被申告人が、開示した取引履歴には記載がないというものであります。取引履歴に記載がない分は57回となります(開示履歴なしの分の合計は50万円を超えています)

 備考欄「金額違い」は、A氏が保管している銀行の振込控の金額と、被申告人が開示した取引履歴の金額とが違うというものであります。これは、実に、73回あります。70回の「金額違い」は、A氏が振り込んだ金額が多くなっていますが、3回分だけは、A氏の振り込んだ金額より多くなっています。「金額違い」の差額は、65万円以上であり、A氏が振り込んだより多く取引履歴に記載されている分は3回分合計で金3,800円です)。

 被申告人から開示された取引履歴の平成5年6月30日から平成6年11月4日までは、残元が「482,259円」となっています。

 「被申告人開示履歴・本人入金比較表」によれば、平成5年6月30日から、平成6年11月4日までに、A氏が振り込んだ相当数の振込が入金扱いとなっていないし、また、A氏が振り込んだ相当数の振込について、振り込んだ金額より、取引履歴上入金となっている金額が違っています。

 平成5年6月3日から、平成6年11月4日までの取引履歴では、たった一回(平成6年8月1日)以外は、すべて、「遅延」となっています。

 つまり、被申告人は、A氏が、ずっと約定返済が遅れている状況であるにもかかわらず、A氏が振り込んだ金額を、どのように処理したものかわからないが、A氏の入金としては扱っていないことが明白であります。

 被申告人は、「遅延」となっている人に対しては、非常に厳しい督促をします。

 それは、電話による督促の外、ハガキによる督促、数日おきに内容の異なる督促ハガキが送られていることは、広く知られた事実であります。つまり、平成5年6月3日から、平成6年11月4日まで、遅延となっている日時には、厳しい督促がなされ、その督促を受けて、A氏が、被申告人に銀行から振込入金したのに、A氏の入金としては扱われていないということだと推測されます。



第2、被申告人による前述の真実と異なる「取引履歴」の開示は、貸金業規制法第13条の2に該当するものと考えます。

 即ち、被申告人は、「顧客の債務整理に際して、帳簿に記載されている内容と異なった貸付金額や貸付日などを基に残存債務の額を水増しし、和解契約を締結しようとする」ことに該当すると考えられるからであります。

 金銭消費貸借契約において、最も大切なことは、債務者の入金が、間違いなく「入金」として扱われているか否かということであります。

 クレジットにおいては、毎月、請求書が送られ、その中に、前月分の入金についての記載がされております。

 専業の貸金業者(俗称サラ金)の場合、銀行・郵便局等からの振込による支払については、当事者が希望する場合のみ、受取証書を交付するということにしている貸金業者が多いようであります。

 これは、振込の控が、振込人の手元にあることから、あえて、受取証書まで交付しなくてもよいとするものであると考えられます。

 銀行・クレジット会社・サラ金会社に対して、債務者が返済を行う場合、債権者たる銀行・クレジット会社・サラ金会社は、支払った金額を間違いなく振込人の債務の支払として処理していると信頼しているのであります。悪徳金融・闇金融ではない、銀行・クレジット会社・サラ金会社に対しては、国民が信頼しているのであります。

 被申告人が、大胆にも、A氏や後述する被申告人福知山支店の事例のように、好き勝手なとしかいいようがない入金処理をしていることは、多くの債務者が、「振込控」等の資料を保管していないから、わかるはずがないと考えているからであると考えられます。

 このような被申告人の業務のあり方は、債務者の債権者に対する信頼を裏切るものであり、早急に是正されねばなりません。

 債務者が支払った金員を、勝手に入金扱いにしないということは、刑法上も犯罪(横領もしくは背任)となる可能性が極めて高いものであると考えます。



第3、被申告人による不可思議な入金処理が明らかとなっている事実

1、週刊金曜日掲載事件(資料3)

 これは、平成15年5月末、「どちらに送金しているのか」との問合せがあり、被申告人に支払っていると言ったところ、「返済は終わっていますよ」といわれたという事件です。

 そして、被申告人の帳面上においても、1年前に支払が終わっていたとういことがわかっております。

 これは、現在、京都地方裁判所福知山支部で過払い金の返還訴訟となっていますが、その中で、被申告人は、勝手に、Bさんの支払った金を、Bさんの娘名義の支払に充当振り分けた旨主張しています。

 また、Bさんの娘が支払った金も、娘さんの意思に反して、Bさんの支払に振り分けられていることがわかっています。Bさんの娘さんは、自分が支払った金が、母親の分に振り分け処理されていることは、全く知りませんでした。


2、C氏事件(資料4・釧路地方裁判所平成14年ワ第115号判決)

 釧路地方裁判所における被申告人による法律上支払義務のない第三者による支払であるとして、返還を求めた事件においても、被申告人による「振り分け」や、被申告人による、支払者本人の意思に反した入金処理の事実が認定されています。

 それは、一つは、母親が、平成13年10月16日、自分の分として21,000円を振込で支払ったところ、10日もたった後に、その入金がなかったことに取り消して、10,500円ずつに分け、息子に10,500円、母親に10,500円を入金処理しています。これについては、母親は、「自分は全く知らないこと」だと証言していますが、被申告人は、母親から振り分けを依頼されたと主張しましたが、裁判所は、被申告人が、母親に振り分けを依頼したと認定しました。

 また、平成14年1月10日の集金の事例では、母親が、4,000円を息子の分に、21,000円を自分の支払にと言って渡したにもかかわらず、被申告人が、勝手に、息子の分に13,000円を、母親の分に12,000円を入金処理したと認定されています。被申告人は、母親が13,000円を息子の分に、12,000円を母親の分に支払ったと主張しましたが、この被申告人の主張は認められませんでした。即ち、被申告人は、平成14年1月10日の集金について、集金した時に、その場で、母親に領収書を交付したと主張しましたが、判決では、被申告人担当者は、その場で、領収書を交付せず、後日、母親に了解を得ないで、勝手に、母親が自分の分として支払った金の内から、息子の支払に13,000円を入金し、領収書は郵送したと認定しました(被申告人は、この点について、控訴していません)。



第4、申告人らは、貸金業界最大手である被申告人が、公然と、貸金業規制法13条の2に定める「債権の管理もしくは取立ての業務を行うに当たり、偽りその他不正又は著しく不当な手段を用いて」いることはゆゆしき事態である。

 よって、被申立人は、このような会社ぐるみの異常な貸金業規制法違反の事実について、厳正なる調査の上、業務停止・登録取り消し等、厳しい処分をされるよう申告する。



添付書類

資料1、A氏「取引履歴照会表」(武富士が開示したもの)

資料2、A氏 被申告人開示履歴・本人入金比較表

資料3、週刊金曜日記事

資料4、釧路地方裁判所判決(母親は控訴しています・被申告人は控訴していません)