奇妙な戸籍の動き!

 A男(昭和36年2月17日生)の戸籍に勝手に入り込んで養子につき、戸籍謄本を調べた結果、次のような奇妙な戸籍の動きが判明した。

甲氏昭和22年11月7日生父S氏 母M氏
平成13年8月22日A男との養子縁組(A男は全く知らない)
平成13年9月4日A男と離縁届出(A男は知らない)
平成13年10月11日養父Y氏と養子縁組
(丙氏12の養父と同じ)
平成13年10月17日養父S氏と養子縁組
(乙氏11・丙氏15の養父と同じ)
平成13年11月8日養父S氏と離婚届出
乙氏昭和40年5月2日生父Y氏 母T氏
平成12年4月5日養母Kさんと養子縁組
平成12年5月25日養母Nさんと養子縁組
平成12年7月31日養父Mさんと養子縁組
平成12年8月22日養父Yさんと養子縁組
10平成12年9月13日A男(本件被害者)と養子縁組
11平成13年10月17日養父Sと養子縁組
丙氏昭和51年4月4日生父B氏  母C氏
12平成13年5月17日養父Yさん養子縁組
13平成13年7月30日養母Dさんと養子縁組
14平成13年9月17日A男との養子縁組(A男は全く知らない)
15平成13年10月17日養父S氏と養子縁組
(乙氏と同じ日に養子縁組となっている)

 尚、S氏戸籍には、戊という昭和53年3月12日生の男性も、養子縁組で入籍されている。戊は、平成13年10月19日にS氏と養子縁組をした後、平成13年11月22日には、別の人物と養子縁組の届出をしている。

 養子縁組制度については、多くの先進国では、「未成年者養子のみ認めている」とされる。子供の福祉ということから考えれば、未成年者養子のみで十分であるはずであるが、わが国では「家」という制度のためか、成人養子も認められている。成人養子の場合は自分より年上の人を養子にすることはできないとされているのみである。よく、家を継がせるために、夫婦養子にするなどのこともある。

 この奇妙な養子縁組の届出は、A男のように全く知らない間に、戸籍に入られた人もいるが、S氏については、全く知らない間に入られたかどうか疑問である。

 なぜ、このような養子縁組をするか、その目的は?

 これら不審な養子縁組を繰り返す人の真意は、わからないが、その理由の一つとして、「ブラック逃れ」があると推測される。

 ブラック逃れ?

 つまり、別人となって、借金をしやすくするということだ。

 「お金は、労働の対価として得るものである」

 「お金は、真に信用を調査してその信用に値する人に対して、信用に値するお金だけを融資する」

 という基本が失われて、「誰にでも、誰にも知られず、簡単に」お金を融資するという貸金業者が、我が世の春を謳歌している間に、どんどん無責任な人間が増殖し、その被害を受ける人も増大する。

どこかで、歯止めを!