武富士武井保雄元会長の刑事裁判開かれる!
元専務の妻に200万円を渡した!



 24日、東京地方裁判所で、武富士元会長の武井保雄氏の「盗聴」事件初公判が開かれたと報道されています。

 検察側の冒頭陳述によると、武井被告は、1992年ごろ、退職して金融業をしていた元専務が同社から情報漏洩や社員引き抜きにかかわっているのではないかと疑い、元専務の尾行を指示した。しかし、尾行では証拠はつかめませんでした。

武井被告は、知人の会社経営者に「盗聴できる業者を知りませんか」と問い合わせ、紹介された調査会社「ミリオン資料サービス」に盗聴を依頼するよう当時の専務に指示。ミリオン社は、「アーク横浜探偵局」の重村和男被告に再依頼して、重村被告が元専務宅を盗聴しました。

武井被告は盗聴で証拠は得られなかったものの詳細な会話内容をきいて「こんなことまでわかるんだな」と満足。情報を栄への関与などを疑った役員らへの盗聴を繰り返し実行した。同社取締役宅を盗聴した2000年7月ごろには法務課長だった中川一博被告に調査会社の業者一覧表を渡して盗聴業務を引き継がせ「後で内容を報告しろ。これからこの件を報告する時に『耳の件』といって報告しろ」と指示しました。

起訴事実のフリージャーナリストの山岡俊介さん、高尾昌司さんへの盗聴を実行したころは、ライバル会社の元経営者らと確執があり、批判記事や同社の問題の取材活動を黒幕的人物の指示によるものではないか−などと疑っていました。

 武井被告の指示で元課長から依頼を受けた重村被告は、社員らを使い、深夜、配電盤内の回線に発信器を設置するなどして盗聴を実行。盗聴を打ち切ったのは山岡さんが盗聴に気づいているような会話をしたためで、武井被告は「それじゃしょうがねえな」などと打ち切りを了承した。山岡さん宅への盗聴では、別の雑誌記者が武富士の地上げ問題に関する記事を、山岡さんと共同執筆しようとしていたこを盗聴内容から知り、同記者の盗聴も指示。しかし、雑音しか録音できませんでした。

武井被告は、武富士で10万円以上支出のほとんどを決裁。「常務会」の決裁が必要とされる1000万円以上の支出も実際は、同被告一人で決裁していました。

盗聴報酬も武富士から支出することにし、「人事調査」「企業調査」の費用などの名目で稟議書をあげさせて決裁。重村被告に2000年12月末からの約3ケ月で1755万円の報酬を支払ました。

検察側は、隠蔽工作の一端も明らかにしました。逮捕前、盗聴業務の元担当者で逮捕された元専務(処分保留で釈放)に中川被告が勝手にやったことにするよう指示。武井被告の妻が元専務の妻に会い「盗聴を指示するはずがない」などといいながら、菓子箱入りの袋を渡すなどの形で口止め料計200間を渡しました。また、元専務の弁護士にも100万円を渡したといいます。

検察側は、武井被告に窃盗、銃刀法違反、傷害など前科10犯があることも指摘しました。また、武井被告の二男武井健晃専務・営業統轄本部長が中川被告から盗聴の録音テープ2本を借りて聞き、広島県福山市の元支店長実家の盗聴を提案したと、同専務が供述していることも初めて明かされました。

(以上2004年2月25日付け しんぶん赤旗より)



いろいろと驚く内容だが、元専務の奥さんに200万円、元専務の弁護士に100万円を渡したということについては、特に驚いた。

 法廷では口止め料ではないと言ったという。

 それにしても、広島県福山氏在住の元支店長が武富士に対して提起した盗聴による精神的苦痛をなどを求める訴訟を提起したことについて、「盗聴」を否認する答弁書が提出されていると聞いている。

 このように明確に、武富士の専務である営業統轄本部長が「盗聴」を認めているのに、「民事の損害賠償」訴訟で「盗聴」を認めないと答弁することについては、誠に驚くほかない。