Mozart con grazia >

ホルンのための曲

Compositions for horn

ホルンはもともと狩猟用の楽器であり、モーツァルトの作品にもそのような雰囲気がある。 金管楽器の中で最もデリケートな楽器といわれ、約3.8mの真鍮の管を複雑に巻いて作られている。 モーツァルトの時代は、息の強さと唇の締め加減で音階を吹くナチュラル・ホルンが使われていた。 その後改良されて、ピストンまたはバルブを操作する仕組みにより管の長さが7通りに変えれるようになり、さらに現在は、標準のヘ調に4度上の変ロ調が組み込まれたダブル・ホルン(高音が出しやすい)が使われている。

モーツァルトはウィーンに移り住んでから名ホルン奏者ロイトゲープのために次々に傑作を書いた。

以下、だいたい作曲年順に作品リストを掲げる。 ここには楽器の種類が違うにもかかわらず、ただ「ホルン」という名があるだけの理由でここに並ぶ曲もあるが、これは編者のような音楽の素人が曲を検索するのに都合が良いので、お許し願いたい。

ホルン協奏曲 楽章 K6.370b
 変ホ長調(断片)
〔編成〕 hr; 2 ob, 2 hr, 2 vn, 2 va, bs
〔作曲〕 1781年? ウィーン

ホルンのための協奏風ロンド K.371
 Allegro変ホ長調2/4 (断片)
〔編成〕 hr; 2 ob, 2 hr, 2 vn, 2 va, bs
〔作曲〕 1781年3月21日 ウィーン

ホルン五重奏曲 変ホ長調 K.407 (K6.386c)
 I.Allegro変ホ長調4/4ソナタ形式
 II.Andante変ロ長調3/8三部形式
 III.Allegro変ホ長調2/4ロンド形式
〔編成〕 hr; vn, 2 va, vc
〔作曲〕 1782年末 ウィーン

ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調 K.417
 I.Allegro maestoso変ホ長調4/4ソナタ形式
 II.Andante変ロ長調3/8
 III.Rondo変ホ長調6/8ロンド形式
〔編成〕 hr; 2 ob, 2 hr, 2 vn, 2 va, bs
〔作曲〕 1783年5月27日 ウィーン

ホルン協奏曲 楽章 ホ長調 (断片) K6.494a
〔編成〕 hr; 2 ob, 2 hr, 2 vn, 2 va, bs
〔作曲〕 1785年または86年? ウィーン

12のホルン二重奏曲 「ケーゲルデュエット」 ハ長調 K.487 (K6.496a)
 I.Allegro2/4ハ長調  II.Menuetto : Allegretto3/4
 III.Andante3/4  IV.Polonaise (ポロネーズ)3/4
 V.Larghetto2/2  VI.Menuetto3/4
 VII.Adagio4/4  VII.Allegro2/4
 IX.Menuetto3/4  X.Andante2/2
 XI.Menuetto3/4  XII.Allegro2/4
〔編成〕 2 hr
〔作曲〕 1786年7月27日 ウィーン

ホルン協奏曲 第4番 変ホ長調 K.495
 I.Allegro moderato変ホ長調4/4ソナタ形式
 II.ロマンス Andante変ロ長調3/4
 III.Rondo : Allegro vivace変ホ長調6/8ロンド形式
〔編成〕 hr; 2 ob, 2 hr, 2 vn, 2 va, bs
〔作曲〕 1786年6月26日 ウィーン
自筆譜が青・赤・緑・黒のインクで書かれているということで知られている。

ホルン協奏曲 第3番 変ホ長調 K.447
 I.Allegro変ホ長調4/4ソナタ形式
 II.ロマンス Larghetto変イ長調2/2三部形式
 III.Allegro変ホ長調6/8ロンド形式
〔編成〕 hr; 2 cl, 2 fg, 2 vn, 2 va, bs
〔作曲〕 1787年? ウィーン

イングリッシュ・ホルンのためのアダージョ K.Anh.94 (K6.580a)
 Adagioハ長調またはヘ長調 (断片 73小節)2/2変則的なソナタ形式
〔編成〕 cl, 3 basset-hr ?
〔作曲〕 1783-85年、1788-89年 ウィーン?

バセットホルン協奏曲 ト長調 K6.621b (K3.584b)
 ト長調 (断片 199小節)
〔編成〕 basset hr; 2 fl, 2 hr, 2 vn, va, bs
〔作曲〕 1787~91年 ?

ホルン協奏曲 第1番 ニ長調 K6.386b (412 & 514)
 I.Allegroニ長調 (K.412)4/4ソナタ形式
 II.Rondo : Allegroニ長調 (K.514)6/8ロンド形式
〔編成〕 hr; 2 ob, 2 fg (I), 2 vn, 2 va, bs
〔作曲〕 1791年1〜10月? ウィーン
第2楽章は弟子ジュスマイヤーが書いたもの。

ホルン協奏曲 ホ長調 (断片) K6.494a (K2.Anh.98a)
 Allegroホ長調4/4断片 91小節
〔編成〕 hr; 2 ob, 2 hr, 2 vn, 2 va, bs
〔作曲〕 1786年半ば?
ホルン協奏曲第1番(K.412)の第2楽章と思われていたが、否定された。
〔演奏〕
CD [POCL-5139] t=3'01
タックウェル (hr) 指揮イギリス室内管弦楽団
1983年
〔動画〕
♪[https://www.youtube.com/watch?v=EBbYrgFMVBo] t=3'15
 Barry Tuckwell (hr), London Symphony Orchestra, Peter Maag
♪[https://www.youtube.com/watch?v=V3SK92TzFMs] t=8'53
 Herman Jeurissen (hr), The Netherlands Chamber Orchestra, Roy Goodman
 補作完成 Herman Jeurissen.

ホルン協奏曲のためのロンド K.514
 Allegroニ長調6/8
〔編成〕 hr; 2 ob, 2 vn, 2 va, bs
〔作曲〕 1792年 ジュスマイヤー
自筆譜に「1797年4月6日」なる日付があるが、それはモーツァルトの冗談とみなされ、ホルン協奏曲第1番(K.412)の第2楽章とされていた。 しかしその自筆譜はモーツァルト自身によるものではなく、弟子ジュスマイヤーが残された師モーツァルトのスケッチから独自に書き上げた創作(1797年ではなく1792年に)と結論づけられた。
〔動画〕
♪[https://www.youtube.com/watch?v=FTRYibAbZ3k] t=3'36
 Timothy Brown (hr), The Orchestra of the Age of Enlightenment, Sigiswald Kuijken

 


Home K.1- K.100- K.200- K.300- K.400- K.500- K.600- App.K Catalog

2018/12/23
Mozart con grazia