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  釧路の自然めぐり =絶滅危惧種の花を訪ねて


  環境省が2012年8月に公表した第4次レッドリストには、2123種もの維管束植物が掲載されています。
  そのうち釧路地方では、クシロネナシカズラなど絶滅危惧種 から準絶滅危惧種まで4分類に、約70種前後
   が分布しているものと思われます。しかしすでに絶滅に近く確認が困難な種もありますが、釧路地方の生育
   地をできるだけ訪ね、釧路にとって貴重な自然の財産である野生の花たちを写真に記録し、このサイトで
   不定期ですが継続して紹介していきます。

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  (32) ムラサキベンケイソウ(ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属)
     Hylotelephium pallescens

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
   高さ30〜50cmの多年草で、釧路地方では海岸線の草原に稀に分布する。
   
  

  (31) ムラサキミミカキグサ(タヌキモ科タヌキモ属)
     Utricularia uliginosa

   準絶滅危惧(NT) <現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件によっては
              「絶滅危惧」に移行する可能性 ある種>
   高さ5〜15cmの1年草で、釧路地方では湿原の泥土地にごく稀に分布する。
   湿原の減少でめったに出会うことはできない。

  (30) コモチレンゲ(ベンケイソウ科イワレンゲ属)
     Orostachys iwarenge var.boehmeri

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
   高さ10〜20cmの多年草で、釧路地方では海岸線の岩場に稀に分布する。
   北海道固有のイワレンゲの変種。
  

  (29) ヒメヒゴタイ(キク科トウヒレン属)
     Saussurea pulchella

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
   高さ50〜150cmの越年草で、釧路地方では海岸線の草地にまれに分布する。
  

  (28) キタノコギリソウ(キク科ノコギリソウ属)
     Achillea alpina ssp. japonica

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
   高さ30〜70cmの多年草で、釧路地方の海岸線などにまれに分布する。
  

 (27) ネムロブシダマ(スイカズラ科スイカズラ属)
     Lonicera alpigena

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
   高さ1〜2mの落葉低木で、釧路では春採湖などにまれに分布する。
  

 (26) ヌマハコベ(スベリヒユ科ヌマハコベ属)
     Montia fontana

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
  高さ3〜15cmの1年草で、釧路では山地の湿地や水辺にまれに生育するが、
  分布地は少ない。

 (25) キンセイラン(ラン科エビネ属)
     Calanthe nipponica

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
  高さ40〜50cmの多年草で、釧路では低地から亜高山の樹林下に稀に生えるが、
  自生地は極めて少ない。

 (24) カワユエンレイソウ(ユリ科エンレイソウ属)
     Trillium channellii

   絶滅危惧1B類(EN) <絶滅の危機に瀕している種>
  高さ30〜50cmの多年草で、道東の明るい林内などに生える。
  釧路では阿寒国立公園内の弟子屈町川湯で見ることができます。

 (23) エゾムラサキツツジ(ツツジ科ツツジ属)
     Rhododendron dauricum

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
  高さ2m前後の低木で、山地から亜高山の明るい岩場などに生える。
  釧路では阿寒国立公園内で見ることができるほか、各地に園芸用として植栽されている。

 (22) タヌキモ(タヌキモ科タヌキモ属)
     Utricularia japonica

   準絶滅危惧(NT) <現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件によっては
             「絶滅危惧」に移行する可能性 ある種>
  水中の茎が40〜50cmの多年生の浮遊植物で、湖沼や湿原に生育している。
  釧路では釧路湿原国立公園の温根内湿原で見ることができる。

 (21) ヒメワタスゲ(カヤツリグサ科ミネハリイ属)
     Trichophorum alpinum

   準絶滅危惧(NT) <現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件によっては
             「絶滅危惧」に移行する可能性 ある種として掲載されている。
  高さ10〜30cmの多年草で、湿原に生育している。
  釧路地方では釧路湿原国立公園や釧路市内でも見ることができる。

 (20) キタミソウ(ゴマノハグサ科キタミソウ属)
     Limosella aquatica

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
  細い茎が地面を這い一株の径は3〜5cmほどの一年草で、水辺で時々冠水するところを
  好んで 生える。近年になって釧路での生育が確認された。
  

  (19)トラキチラン(ラン科トラキチラン属)
    Epipogium aphylium

   絶滅危惧1B類(EN) <絶滅の危機に瀕している種>
  多年生の腐生ランで、山地の針葉樹林内に生育するが、
めったに出会うことが
   ない希少種。
  

 (18)クシロネナシカズラ(ヒルガオ科ネナシカズラ属)
    Cuscuta europaea

   絶滅危惧1A類(CR) <ごく近い将来において野生での絶滅の危険性が
                極めて高い種>
  つる性の1年生植物で、釧路地方では海岸近くの草地に生えている。
  ネナシカズラの近似種。

 (17) バアソブ (キキョウ科ツルニンジン属)
     Codonopsis ussuriensis Hemsl

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
  草丈1〜2mほどになる多年草で、山地や原野に生える。
  ツルニンジン(別名:ジイソブ)の近似種。

 (16) エゾウスユキソウ(キク科ウスユキソウ属)
     Leontopodium discolor

   絶滅危惧1B類(EN) <絶滅の危機に瀕してしている種>
  草丈20〜30cmの多年草で、岩場などに生える。
  釧路地方では釧路管内の海岸線で稀に見ることができる。
 

 (15) トキソウ(ラン科トキソウ属)
     Pogonia japonica

   準絶滅危惧(NT) <現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件によっては
             「絶滅危惧」に移行する可能性 ある種>
  高さ20〜30cmの多年草で、湿原に生育している。
  釧路地方では釧路湿原国立公園の温根内や達古武で見ることができる。

 (14) カキツバタ(アヤメ科アヤメ属)
     Iris laevigata Fisch

   準絶滅危惧(NT) <現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件によっては
             「絶滅危惧」に移行する可能性 ある種>
  高さ40〜80cmの多年草で、湿原に生育している。
  釧路地方では釧路湿原国立公園の温根内やコッタロ湿原(少数)で見ることができる。

 (13) ベニバナヤマシャクヤク(ボタン科ボタン属)
     Paeonia obovata

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
  草丈40〜50cmほどの多年草で、低地から亜高山の林内に生育している。
  釧路地方では阿寒町や標茶町の林内で少数見られるが、めったに出会うことが
   ない希少種。

 (12) クシロハナシノブ(ハナシノブ科ハナシノブ属)
     釧路花忍

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
  草丈40〜80cmほどの多年草で、低地の湿原に生育している。
  釧路地方では霧多布湿原などで少数見られるが、釧路湿原ではほとんど見ることが
   できなくなった希少種。

 (11) オオバタチツボスミレ(スミレ科スミレ属)
     Viola kamtschadalorum

   準絶滅危惧(NT) <現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件によっては
             「絶滅危惧」に移行する可能性 ある種>
  高さ30〜50cmの多年草で、低地から山地の湿原や湿った草地に生育している。
  釧路地方では海岸地帯のごく限られた湿地でしか見ることができない。

 (10) フタマタイチゲ(キンポウゲ科イチリンソウ属)
    Anemone dichotoma

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
  草丈40〜80cmの多年草で、低地の湿原や湿った草地に生育している。
  釧路地方では春採湖畔や釧路湿原など限られた所でしか見ることができない希少種。

 (9) カモメラン(ラン科ハクサンチドリ属)
    Galearis cyclochila

   準絶滅危惧(NT) <現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件によっては
              「絶滅危惧」に移行する可能性 ある種>
  高さ10〜20cmの多年草で、山地の樹林内が生育適地とされている。
  釧路地方でも深い樹林内や林縁で稀に見ることができるが、出会う機会は少ない。

 (8) ヒメカイウ(サトイモ科ヒメカイウ属)[別名・ミズザゼン、ミズイモ]
    Calla palustris

   準絶滅危惧(NT) <現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件によっては
             「絶滅危惧」に移行する可能性 ある種(297種)>
  高さ15〜30cmの多年草で、湿原の水辺や浅い水中で根茎を伸ばして群生するのが特徴。
  釧路地方では釧路湿原温根内の木道から身近に見ることができる。

 (7) ハナタネツケバナ(アブラナ科タネツケバナ属)
    Cardamine pratensis

   絶滅危惧1B類(EN) <絶滅の危機に瀕してしている種>
  高さ20〜50cmの多年草で、湿原に生えるのが特徴。
  釧路地方では釧路湿原温根内の木道から見ることができる。
 

 (6) チシマウスバスミレ(スミレ科スミレ属)
    Viola hultenii

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
  高さ5〜8cmの小型のスミレで、道内では唯一道東の高層湿原に生育している。
  釧路地方ではごく限られた所にしか生育していない希少種。

 (5) クシロワチガイソウ(ナデシコ科ワチガイソウ属)
    Pseudostellaria sylvatica

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
  高さ15〜30cmの多年草で、山地の林下や湿原に生育している。
  個体数は多くはありませんが、釧路地方では釧路湿原や阿寒湖畔で見ることができる。
 

 (4) イソスミレ(スミレ科スミレ属)[別名・セナミスミレ]
    Viola grayi

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
  海岸の砂浜に生えるのが特徴で、高さは5〜10cmの多年草。
  道東では釧路市の一部の海岸でしか見ることができない。
   新潟県の瀬波海岸に大きな群生地があったことから、別名セナミスミレと呼ばれている。

 (3) ヤチツツジ(ツツジ科ヤチツツジ属)[別名・ホロムイツツジ]
    Chamaedaphne calyculata

   絶滅危惧1B類(EN) <絶滅の危機に瀕してしている種>
  高さ30cm〜1mの常緑の低木で、湿地や泥炭地に生えるのが特徴。
  釧路地方では釧路湿原や霧多布湿原など限られた所でしか見ることができない。
   岩見沢市の幌向湿原で 発見されたことから、別名ホロムイツツジと呼ばれている。

 (2) エゾヒメアマナ(ユリ科キバナノアマナ属)
    Gagea vaginata

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
   高さ10〜15cmと低く、軟弱な多年草。
  釧路湿原ではやや湿りけのある林縁や草地で見ることができる。

 (1) ウラホロイチゲ(キンポウゲ科イチリンソウ属)
    Anemone amurensis (Korshinsky) Komarov

   絶滅危惧2類(VU) <絶滅の危険が増大している種>
   キクザキイチゲの近似種で、がく片が5〜8枚と少なく(キクザキイチゲは8〜12枚)
   葉は短く幅が広いのが特徴。開花時季は比較的に早く、4月の下旬には白い清楚な花を見
   せてくれる。釧路地方ではごく限られた所でしか見ることができない希少種のひとつ。