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セレナード 第1番 ニ長調 K.100 (62a)

  1. Allegro ニ長調 4/4
  2. Andante ニ長調 2/4
  3. Menuetto ト長調 (トリオ ニ長調)
  4. Allegro ニ長調 2/4
  5. Menuetto ニ長調 (トリオ ト長調)
  6. Andante イ長調 2/4
  7. Menuetto ニ長調 (トリオ ニ短調)
  8. Allegro ニ長調 3/8
〔編成〕 fl, 2 ob, 2 hr, 2 tp, 2 vn, 2 va, bs
〔作曲〕 1769年夏 ザルツブルク

13歳の夏、少年モーツァルトはザルツブルクであいついで3つのカッサシオンを作曲したと思われる。 それは、

である。 カッサシオンとはディヴェルティメントやセレナードと同種の(器楽)音楽であり、18世紀中葉のオーストリアで使われていたもので、モーツァルトはその種の作品として上記3曲のほかにもう一つ『ガリマティアス・ムジクム』(K.32)の計4曲を書いていると一般に言われている。 そのうち、このフィナール・ムジーク K.100 (62a) は「セレナード」に分類され、その第1番として位置づけられている。 また「フィナール・ムジーク」という名称も同種の音楽を意味している。
ザルツブルクのセレナードは、通常は結婚式、誕生日や聖名祝日、授爵、進級といった個人的な祝い事と、ザルツブルク大学の夏学期の終了という公的な祝典のために作曲された。 (モーツァルトがセレナードを「フィナールムジーク(終了音楽)」と呼んだのは、このためである。) こうしたセレナードは、1曲の中に混ぜ合わされた行進曲、舞曲、交響曲、協奏曲を人々に提供することで、それぞれの祝賀における音楽的なメイン・イヴェントとなった。 これらの作品は、りっぱな邸の庭、大学や大司教殿の前の広場などの野外でしばしば演奏された。
[全作品事典] p.286
その後、12月13日にモーツァルト父子は念願の初のイタリア旅行に出発する。 ところが旅先で、ザルツブルクのある作曲家(不明)が自分の作品として出版したことを知って、モーツァルトは故郷の姉へ次の手紙を書き送っている。
1770年8月4日、ボローニャ
時間が許すならば、フォン・メルクさんとシーデンホーフェンさんのお二人を数行の贈りもので悩ますのがぼくの務めですが、そのいちばん肝心のものが足りないので、彼らにぼくの失礼をお許しいただくよう、そしてその名誉を後日に残すことをお認めいただくよう願っています。
いろいろなカッサシオンの冒頭

(譜例は http://www.zeno.org/Musik/I/6101021a から)
楽長の息子が書いた作品を、しかも母親や姉さんがそこにいるのに、誰が自分のものとして出版するような大それたことをするでしょうか?
[書簡全集 II] pp.176-177
この手紙にわざわざ譜例を書き入れて、それがザルツブルク宮廷の中枢に伝わることを願っていたのであろう。
1769年8月

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作曲の目的は不明であるが、ザルツブルク大学の祝典用(修了祝賀音楽、すなわちフィナール・ムジーク)とする説が一般的である。 すなわち当時の記録

1769年8月6日、同月第一日曜日。 夜、倫理学教授のために、優れたる少年ヴォルフガング・モーツァルトの作曲による音楽会。
1769年8月8日、火曜日。 終業。 同じ少年の作曲による物理学学生のための音楽会。
[ドイッチュ&アイブル] p.79
にある音楽会のために書かれたと思われる。 そしてこの曲は、8月6日に演奏するために書かれたと思われていた。 しかし最近の研究では、6日に K.63 が、8日には K.99 がそれぞれ演奏されたと推定されているので、この曲(K.100)がどのような機会のために書かれたものかよくわからない。

第2、3、4楽章では独奏楽器としてオーボエとホルンが活躍し、合奏協奏曲風に作られている。 また、第6楽章では独奏楽器としてフルートが扱われ、やはり合奏協奏曲風である。 第7楽章のトリオはニ短調となり、美しく静かな一瞬を与えてくれる。 モーツァルトは協奏曲風の3つの楽章を抜いて、交響曲とした。

〔演奏〕
CD [RVC RECD-1038] t=21'37
パイヤール指揮 J-F. Paillard (cond), パイヤール室内管弦楽団 Orchestre de Chambre Jean-Francsois Paillard
1984年1月、パリ、ノートルダム・デュ・リバン教会

 

交響曲 ニ長調 K.100 (62a)

  1. Allegro ニ長調
  2. Menuetto ト長調
  3. Andante イ長調
  4. Menuetto ニ長調
  5. Allegro ニ長調

セレナード第1番 K.100 の中で、独奏オーボエ、ホルン、フルートが現れる協奏曲風の第2、3、4楽章を除いてシンフォニーに改作。 モーツァルトは5曲のセレナードをシンフォニーに改作しているが、 残念なことに「ハフナー」だけが交響曲のジャンルに加えられているだけで、他はとりあげられることがほとんどない。

〔演奏〕
CD [ポリドール FOOL-20362] t=17'39
ホグウッド指揮 Christopher Hogwood (cond), エンシェント室内管弦楽団 Academy of Ancient Music
1978年から1980年の間、ロンドン、St. Jude's Church
CD [SONY SRCR-8623/4] t=16'00
ヴァイル指揮 Bruno Weil (cond), ターフェルムジーク・バロック管弦楽団 Tafelmusik
1991年1・2月、カナダ、オンタリオ州キッチナー

 

行進曲 K.62

  • ニ長調 2/4
〔編成〕 fl, 2 ob, 2 hr, 2 tp, timp, 2 vn, 2 va, bs
〔作曲〕 1769年夏 ザルツブルク

セレナード第1番 K.100 の前後に演奏される行進曲。 そのためその第1楽章として扱われることもある。 1770年秋に作られたオペラ・セリア『ポントの王、ミトリダーテ』(K.87 / 74a)の第1幕第7番の行進曲に使われている。

〔演奏〕
CD [RVC RECD-1038] t=2'07
パイヤール指揮 J-F. Paillard (cond), パイヤール室内管弦楽団 Orchestre de Chambre Jean-Francsois Paillard
1984年1月、パリ、ノートルダム・デュ・リバン教会
CD [COCO-78047] t=3'53
グラーフ指揮モーツァルテウム
1988年5月

〔動画〕
[http://www.youtube.com/watch?v=3N18EwGp4Tc] t=3'57
グラーフ指揮モーツァルテウム
 


〔参考文献〕

 

Home K.1- K.100- K.200- K.300- K.400- K.500- K.600- App.K Catalog
 
2012/01/08
Mozart con grazia