K.305

選帝侯妃ソナタ（マンハイム・ソナタ）第５番。かつてはマンハイムでの作とされていたが、現在はパリで完成されたものと考えられている。第２楽章が変奏曲という趣向は1766年の「ハーグ・ソナタ第６番変ロ長調」（K.31）以来になるが、しかしその後約10年間この種の作品をモーツァルトは書いていないので、まったく新しい趣向というわけではない。事実、この次のシリーズ「アウエルンハンマー・ソナタ集」でも第３曲（K.377）と第５曲（K.379）で変奏曲の楽章を置いている。

アインシュタインは「気楽で社交的な二重奏ソナタの理想である。全曲のいっさいが明朗、新鮮、無邪気である」と評している。

〔演奏〕
CD [KICC-2205] t=8'31
フェルデシュ (p), シゲティ (vn)
1943年

CD [COCQ 83885-88] t=14'28
シゲティ (vn), ホルショフスキー (p)
演奏年不明

CD [東芝EMI TOCE-6725-30] t=15'10
クラウス (p), ボスコフスキー (vn)

CD [MVCW-19010] t=11'51
バドゥラ・スコダ (p), バリリ (vn)
1952年

CD [Polydor POCG-90177] t=13'34
シュナイダーハン (vn), ゼーマン (p)
1954年

CD [ポリドール LONDON POCL-2084/7] t=14'32
ルプー (p), ゴールドベルク (vn)
1974年

CD [Deutche Grammophon 415 102-2] t=14'38
バレンボイム (p), パールマン (vn)
1984年

CD [Calliope CAL.9664] t=12'13
Bogunia (p), Messiereur (vn)
1985年

CD [キング KKCC-232/3] t=14'57
ヴェッセリノーヴァ (fp), バンキーニ (vn)
1993年

CD [AMBRONAY ARCANA A 906] t=16'44
アルヴィーニ (fp), ガッティ (vn)
1997年