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歌曲「私は私の道を」または「希望に寄せて」 K.390 (340c)

〔作曲〕 1781年8月〜82年5月? ウィーン (または、1780年頃 ザルツブルク)

ニ短調、4分の2拍子、ピアノ伴奏。 4つの節から成る有節形式。 作曲の時期、動機ははっきりしない。 アインシュタインによると

明らかに或る年鑑編集者の依頼によって、しかも当時流行のJ・T・ヘルメスの長編小説『メーメルからザクセンへのゾフィーの旅』への挿入曲として、作曲したのであった。 そのテクストはこの長編小説全体と同様に味もそっけもないものであり、モーツァルトはただこのとき一回だけ、彼の時代の「多情多感」の犠牲になったのであった。 「冷静に、満足して」というようなリートの演奏指示が、すでにそのことを告げている。
[アインシュタイン] pp.512-513
のように成立の事情が推測されている。 ヘルメス(Johann Timotheus Hermes, 1738-1821)は当時の感傷主義文学の作家で、モーツァルトは彼の小説「メーメルからザクセンへのゾフィーの旅 Sophiens Reise von Memel nach Sachsen」から歌詞を採り、3曲の歌曲 を作った。 それぞれには演奏指示が書かれ、この曲には上記のように「平静に、満ち足りて Gleichgültig und zufrieden」と指示されている。 悲しみを分かち合う友情、あるいは自分の孤独な苦労を見守ってくれる友がいることを静かに歌うその内容から「希望に寄せて」とも呼ばれる。 ただし、その第1節には作曲せず、最後の節に作曲した。 それについて、アインシュタインは
なぜなら、テクストの意味と表現とが完全に一致しているのはこの節だけだからである。 またもやモーツァルトの演劇的な敏感さが証明されている。
同書 p.513
と説明している。 ヘルメスの歌詞は感傷的過ぎるほどであるが、曲は最後まで急ぐことなく簡潔に歌われることで深いものとなり、「血を流して倒れた友人」を悼むものとして聞くこともできる。

〔詞〕 (ヘルメス)
Ich würd' auf meinem Pfad mit Tränen
Oft hin zum fernen Ende sehn,
Säh ich nicht Kenner meiner Leiden
So mitleidsvoll am Wege stehn.

私は私の道を涙ながらに
遠い果てまでしばしば眺めやることだろう
もし私の悩みを知る人が
思いやり深く路傍にいるのが見えるならば
Dann brech' ich mutig durch die Dornen
<Er sieht mich bluten!> sprech' ich dann,
Und wenn ich einst, verblutet, falle,
Dann sag' er : <Der stieg felsenan!>

そして私は勇気を出し茨の障害を突き破る
「血を流す私を彼は見ている」と私は言う
そして私がいつか血を流して倒れた時、
彼に言ってもらいたい、「この男は岩山を登りつめた!」と。


石井不二雄訳 CD[DENON 28CO-1864]

〔演奏〕
CD [DENON 28CO-1864] t=3'10
シュライアー Peter Schreier (T), デムス Jörg Demus (p)
1975年9月、ドレスデン
CD [PHILIPS 422 524-2] t=2'02
アメリンク Elly Ameling (S), ボールドウィン Dalton Baldwin (p)
1977年8月、オランダ、アーヘン
CD [PHILIPS UCCP-4085/7] t=2'03
※上と同じ
CD [COCO-78062] t=2'36
白井光子 (Ms), ヘル Hartmut Höll (p)
1985-86年、ハイデルベルク
CD [WPCC-4279] t=2'17
シュリック Barbara Schlick (Ms), マトウ Tini Mathot (fp)
1990年5月、ユトレヒト

〔動画〕

〔参考文献〕

 

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2012/08/19
Mozart con grazia