Mozart con grazia > ヴァイオリンのための曲 > 協奏交響曲イ長調 2008/02/17
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K.Anh.104 (320e) ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための協奏交響曲 イ長調

編成 solo vn, solo va, solo vc, 2 ob, 2 hr, 2 vn, 2 va, bs
作曲 1779-80年 ザルツブルク

ヴィオラが半音高く調弦するよう指定されてあり、また同じ紙に書かれてあることから、「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調K.364」と同時期の作と見られている。 Allegro、4分の4、未完、51小節まで。 52小節から134小節まではソロパートの断片が残る。 ただし作曲を放棄したのではなく、後で完成させるつもりでいたらしい。 アインシュタインによれば

それを完成すべき外的な動機が消えたために完成せずにおいたという事実の例も存在する。 そういう例の最も悲しむべきものは、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとオーケストラのためのシンフォニア・コンチェルタンテ(K.Anh.104)であるが、これはおそらくマンハイム=ミュンヘンのオーケストラの三人の奏者のために計画され、この三人が1779年頃にはもう集まらなかったのであろう。
淺井真男訳「その人間と作品」白水社 p.195
と推測されている。 この「巨大なトルソ」(アインシュタイン)について、完成されたなら傑作であったろうと惜しまれている。 そのため補筆の試みが多く、中でもモーツァルテウムの芸術監督兼楽長だったオットー・バッハが主楽章を補筆完成し、1870年ウィーンで出版したものが有名である。 その後、R.シュマッハー、P.ウィルビーによる補作版もある。 さらに1990年6月、没後200年記念事業としてモーツァルテウムは日本人作曲家三枝成彰氏に補筆完成を依頼したことも知られている。

●バッハ補作版

次のCD[カメラータ・トウキョウ 32CM-174]の解説書で野口秀夫氏が譜例を上げて詳しく解説している。

演奏
CD[カメラータ・トウキョウ 32CM-174] t=12'59
ガブリロフ Saschko Gawriloff (vn), 深井碩章 (va), ジョルジュアン Karine Georgian (vc), 豊田指揮草津フェスティヴァル交響楽団
1981年、渋川市民会館
※補作52小節から399小節まで。 バッハ版ではさらに第2楽章として狩猟曲K.299dを補作したものを追加しているが、これは演奏してない。

●ウィルビー補作版

ソロの出だしとK.364の冒頭主題との類似から、同曲をモデルに編曲した。

演奏
CD[PHILIPS PHCP-9270] t=11'08
ブラウン Iona Brown (vn), 今井信子 (va), オートン Stephen Orton (vc), ブラウン指揮アカデミー Academy of St Martin in the Fields
1989年6月、ロンドン

●三枝成彰(補作)版

52小節から134小節までに加筆し進め、164小節に総休止を置いた。それにより未完の曲であることを象徴的に示している。 ここまで約5分(全体の4分の1)。 その先はモーツァルトとは異質のまったく三枝氏自身の作品なので、補作とは言い難い。 1991年12月5日初演。

演奏
CD[東芝EMI TOCZ-9175] t=20'29
ハーゲン・トリオ Lukas Hagen (vn), Veronika Hagen (va), Clemens Hagen (vc), グラーフ指揮 Hans Graf (cond), ザルツブルク・モーツァルトテウム Mozarteum Orchester Salzburg
1991年3月


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