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ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 変ロ長調 K.424

  1. Adagio 変ロ長調 4/4 - Allegro 3/4 ソナタ形式
  2. Andante cantabile 変ホ長調 6/8
  3. Andante grazioso 変ロ長調 2/2 変奏形式(主題と6変奏)
〔作曲〕 1783年7〜10月 ザルツブルク

同じ編成の二重奏曲 ト長調(K.423)と姉妹作。 第1楽章アレグロの前にアダージョの序奏がついている。 それについて、アインシュタインは次のように評している。

序奏部は、きわめて立派なシンフォニー様式で書かれた一種の機智である。 しかしそれにつづくアレグロの展開部では、シンフォニー的なものから厳粛なものが作り上げられる。
[アインシュタイン] p.262
モーツァルトが、ミハイル・ハイドンの二重奏曲だけでなく「ヨーゼフ・ハイドンすらをも越える無意識の優越」を抱いて作曲したであろうとアインシュタインは言う。 そして、ハイドン兄弟の合計10曲の二重奏曲のうち
本当に二重奏が行なわれていると言いうるのは、ヨーゼフの最初の二重奏曲だけなのである。 むしろヴィオラのオブリガート伴奏を伴うヴァイオリン独奏である。 ヴィオラがときおりいかにつまらぬものになっているかということは、変奏曲ではじまりそれで終るヨーゼフ・ハイドンの6番目のソナタにおいて、ヴィオラが単純に主題を繰り返すばかりで、変化した装飾音型の影さえ見えないということから、明らかになるであろう。
同書 p.261
という。 それに比して、モーツァルトの変奏曲では、ヴィオラ奏者は生易しい伴奏ですまされない。 ロビンズ・ランドンも「ヴィオラ声部の難しさ、真のヴィルトゥオーソが要求されること」は注目に値すると言っている。

想像をたくましくすれば、帰郷したザルツブルクで書かれた2つの二重奏曲はその場で演奏されたにちがいない。 ヴァイオリンはもちろん父レオポルトであり、作曲した本人はヴィオラであろう。 さらにミハイル・ハイドンもその場にいたのかもしれない。

〔演奏〕
CD [U.S.A. Music and Arts CD-665] t=15'09
ゴールドベルク Szymon Goldberg (vn), ヒンデミット Paul Hindemith (va)
1934年、ロンドン?
CD [PHILIPS PHCP-9642] t=19'38
グリュミオー Arthur Grumiaux (vn), ペリッチャ Arrigo Pelliccia (va)
1968年6月、アムステルダム、コンセルトヘボウ
CD [harmonia mundi HMA 1901052] t=20'21
パスキエ Regis Pasquier (vn, Montagnana, Venise 1742), Bruno Pasquier (va, Maggini, Brescia ca. 1600)
1980年、4月
CD [POCG-1176] t=23'50
クレメル Gidon Kremer (vn), カシュカシャン Kim Kashkashian (va)
1984年、ウィーン
CD [SONY SRCR 8541] t=18'41
ベス Vera Beths (vn), クスマウル Jurgen Kussmaul (va)
1990年9月、オランダ、ハールレムのルーテル教会

〔動画〕

〔参考文献〕


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2016/08/21
Mozart con grazia