Mozart con grazia > ヴァイオリン・ソナタ > 第43番 ヘ長調
17
age
61
5
62
6
63
7
64
8
65
9
66
10
67
11
68
12
69
13
70
14
71
15
72
16
73
17
74
18
75
19
76
20
77
21
78
22
79
23
80
24
81
25
82
26
83
27
84
28
85
29
86
30
87
31
88
32

89
33
90
34
91
35
92

K.547 ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第43番 ヘ長調

  1. Andantino cantabile ヘ長調 2/2 ロンド形式
  2. Allegro ヘ長調 3/4 ソナタ形式
  3. Andante ヘ長調 2/4 変奏形式(6変奏)
編成 p, vn
作曲 1788年7月10日 ウィーン

最後のヴァイオリン・ソナタ。 自作目録には「ヴァイオリンを伴う初心者用のクラヴィアのためのソナチネ」とあるが、ピアノ・ソナタK.545と同じく、皮肉なことに高度な演奏技術と表現力が要求され、初心者には難しい。 自筆譜は不明。 姉ナンネルに送ったのかもしれない。

第3楽章(その第4変奏をカットして)をモーツァルト自身がピアノ・ソナタに改編し、それが別の作品「K.54 (547b)」としてみなされている。 さらに、他楽章のピアノ・ソナタ編曲版もあり、最初から「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ」として作曲されたものかどうか疑われていた。 たとえば、アインシュタインは

少なくとも2つの楽章、アレグロと変奏曲は、もとはたしかにピアノ独奏用のものであった。 なぜなら、ここではヴァイオリンはほとんど《交替》の役割を果たしていないからである。 ただ第一楽章アンダンテ・カンタービレだけが、短いにもかかわらず純正な、コンチェルト的な楽章で、技術と楽想のなかにユーモアをたたえている。 ところが、つづく2つの楽章では《初心者》のことがほとんど考慮されていない (ことに、二、三の変奏曲はモーツァルトの《最後の様式》で作られた傑作に加えられる。 これらの変奏曲のうちの最もすばらしい短調のものは、ピアノの楽譜にしか見いだされない) このことは、ピアノ楽譜がこの作品全体の本来の形だったことの、もう一つの証拠となる。 この変奏曲はそれ自体としてきわめて完璧なので、ただ伴奏するだけのヴァイオリン・パートをもつけ加えることができなかったのである。
浅井真男訳「その人間と作品」白水社 pp.354-355
と主張していたが、現在は、最初から「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ」として作曲されたものと結論づけられている。

■演奏
CD[東芝EMI TOCE-6725-30] t=17'47
クラウス (p), ボスコフスキー (vn)
mono
CD[ポリドール LONDON POCL-2084/7] t=18'59
ルプー (p), ゴールドベルク (vn)
1974年、ロンドン
CD[キング KKCC-296] t=20'45
ヴェッセリノーヴァ (fp), バンキーニ (vn)
1993年11月
※バンキーニは1780年クレモナ製のバロック・ヴァイオリンで、ヴェッセリノーヴァはシュタイン・モデルのケレコム製フォルテピアノで演奏
CD[SONY SRCR 1789] t=19'02
ブロンフマン (p), スターン (vn)
1994年2月、アメリカ、カリフォルニア

 


 

K.54 (547b) アレグレットの主題による6つのピアノ変奏曲

作曲 1788年7月10日以後 ウィーン

K.547第3楽章「主題と6つの変奏」のピアノ・パートとまったく同じであり、そのつもりで作曲したものの第4変奏をカットしてピアノ・ソナタ(主題と5つの変奏曲)に改編した。 したがって、この曲の成立時期は K.547の後、すなわち 1788年7月10日以後ということになる。 ウィーンのホフマイスターから1788年に出版されたが、その後1795年にアルタリアから出版されたときに、誰かが第4変奏を追加して元の6つの変奏曲にした。

ケッヘル初版ではK.54, 第2版ではK.Anh.138a, そして第3版ではK.Anh.135と合せて一つの作品K.547a(の一部、第3楽章)となり、さらに第6版からは再び切り離され、単独のソナタとして位置づけられている。 ただし、番号は上記のように成立時期を考えると初版の番号にはならず、K.547のあとの K.547bとなる。

■演奏
CD[EMI TOCE-11557] t=3'34
ギーゼキング (p)
1953年
CD[TOCE-7514-16] t=7'17
バレンボイム (p)
1991年, 6変奏で
CD[NAXOS 8.550611] t=7'29
ニコロージ (p)
1991年

 


 

K.547a(ケッヘル第3版) ピアノ・ソナタ ヘ長調

  1. Allegro ヘ長調 3/4 ソナタ形式
  2. Allegretto ヘ長調 2/4 ロンド形式
  3. Allegretto ヘ長調 2/4 主題と7変奏

3つの楽章ともモーツァルトの別の作品からの編曲であり、第1楽章はK.547の第2楽章をピアノ独奏に、第2楽章はK.545の第3楽章(ハ長調)を移調し、第3楽章はK.547の第3楽章である。 それら3つの楽章から成る一つの作品としてここに示すのはケッヘル第3版(アインシュタイン)のものである。 現在(新全集)は偽作とみなされ、真正のピアノ・ソナタではないとされている。

「モーツァルト事典」(海老沢・吉田監修、東京書籍)によると、1799年ライプツィヒのブライトコップから出版されたとき、「第1・第2楽章」と「第3楽章」とが別のものと扱われていた。 そして、ケッヒェル初版(1862年)では前者を「K.Anh.135」とし、後者を「K.54」としていた。 次の第2版では後者は「K.Anh.138a」とされ、付録にまわされていたが、 第3版(1937年)でアインシュタインは一つにまとめ、3楽章から成るK.547aとし、1788年6月26日以降ウィーンでの作と推測した。 しかし1959年に新説(マルグレ)が現れ、偽作とされるようになった。 第6版では再び2つに分けられ、前者だけがK.547a、後者はK.547bと切り離されたものの、付録扱いにはなっていなかった。
 


このページを書くにあたって、福地勝美氏からいろいろと御教示いただきました。 深く御礼申し上げます。  

Home K.1- K.100- K.200- K.300- K.400- K.500- K.600- App.K Catalog

 
2006/08/27
Mozart con grazia