| Mozart con grazia > ピアノ三重奏曲 > 第3番 ト長調 |
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ピアノ三重奏曲 第3番 ト長調 K.496
■作曲 1786年7月8日 ウィーン |
第1番 K.254(1776年)はピアノが主で、ヴァイオリンは従、チェロはピアノの低音を一緒に弾くだけであり、作曲者は最初「ディヴェルティメント」と記した。 第2番 K.442 は断片で残るだけ。 第3番でようやく三重奏を意識して作ったようで、自作目録には「Terzetto」と書かれた。 したがって、「ピアノ三重奏曲第1番」と言ってもよい。 それでも主役はピアノで、やはりチェロはその補強としての役割からそれほど離れない。 しかし、アインシュタインが
それはもはやソナタとかディヴェルティメントとかではなく、テルツェットである。 つまり純正な三重奏曲なのである。 なるほど三重奏曲ではチェロがヴァイオリンよりひかえめであるが、本質的に対話にあずかっているのであって、あとから挿入されてよいものではない。とみずから訂正したように、チェロはピアノとヴァイオリンの対話に隠れた存在ではなく、作曲者が三重奏を書いていることが伝わってくる。 また、自筆譜は赤とセピア色の2色で書かれてあるというが、 それについても、アインシュタインは浅井真男訳「その人間と作品」白水社 p.356
モーツァルトは自筆楽譜のなかで赤と黒のインクを用いて、どの楽器も決してなおざりにしないよう自らいましめたようである。と説明している。
私は典型的な例として(K496の)フィナーレを選ぶ。 これは、モーツァルトの音楽言語のほとんど全体の要約として提示しうるがゆえに、ことのほか貴重な楽章である。 最初の主題はかなり平凡な出来のように思える。 だが聴き手はその出だしに気をくじかれたりしてはならない。 我慢していると、やがて与えられた主題の素晴らしい変貌に立ち会うことになるからだ。 最初の変奏のギャラントな外見のもとに、ピアノの線が広くなり、だんだん輝いてくる。 それから突然、短調挿入部とともに、ポリフォニーの密度(ピアノの驚くべき入り)がモーツァルトの作品の絶頂の一つに到達する。第4変奏はト短調になり、突然チェロによって導かれる。 オカールはさらに続ける。西永良成訳「モーツァルト」白水社 p.121
だが、それだけではない。 アダージョがもっと高みにまで達するのだ。 その旋律が単純化されてたんなる主題的なヴェクトルになってしまう瞬間、ピアノによって純粋な歌の最高の強度を獲得する。 まるで、一つの変奏から次の変奏に進むにつれ、新たに到達された詩的状態が前の変奏を相対的な散文性のなかに打ち捨ててしまうとでもいうように、すべてが進行するのだ。 だから、最初の主題が最後にもう一度取りあげられるときでも、モーツァルトはそれだけで止めてはおかない。 短調のポリフォニーのスタイルの回帰とともに、突然、調子が再び掘り下げられるのだ。 そして作品はまったく予想外の仕方で、ひそかに最後の沈黙に行き着く。この曲は三重奏曲「ケーゲルシュタット」K.498と同じように、ジャカン家での集まりで演奏するのを目的に作られたというわれているが、そこで作曲者自身がどのようなことに注意して演奏したら良いか指示していたとすれば、たいへん興味深い。 なお、この曲は作曲された年にホフマイスターから出版された。
■演奏
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CD[EMI CHS 7697962] t=25'27 クラウス Lili Kraus (p), ボスコフスキ Willi Boskovsky (vn), ヒューブナー Nikolaus Hubner (vc) 1954年、ウィーン楽友協会ホール |
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CD[ミュージック東京 NSC173] t=29'58 ニコルソン Linda Nicholson (fp), ハジェット Monica Huggett (vn), メイソン Timothy Mason (vc) 1984年6月 ※フォルテピアノは1797年頃ウィーンのシャンツ製、ヴァイオリンはストラディヴァリウスのレプリカ(ロス製1977)、チェロ同(1979) |
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CD[TKCC-15110] t=27'03 ズスケ (vn), オルベルツ (p), プフェンダー (vc) 1988-89 |
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