| Mozart con grazia > ピアノのための小品 > 8つのメヌエットとトリオ | 2008/03/02 |
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ケッヘル第2版では K.315a、第6版では K.315g という番号で、1779年初めの作品と推定されていたが、プラートによる筆跡研究から新全集では上記のように1773年末の成立とした。 ただし第8曲のトリオだけは1779年または1780年のものだという。 したがって、そのトリオはまったく別の作品として切り離さなければならなくなる。 あるいは真正でなく、別人(クリスティアン・バッハ)の作品であるかもしれないという。
さて、第4曲について、1780年12月5日のミュンヘンからの手紙で
あの愛すべき、若くて、美しくて、器用で、賢いルイーゼ・ロードゥローン嬢が、あんな太鼓腹と一緒になるなんて、ぼくはとても残念です。 彼女はきっと、ぼくがバッハから学んだメヌエットの中間部の冒頭をなんとか彼とうまく弾くようにはなるでしょう。 なぜって、終結部では、彼はたいしたことはできないでしょう。と父に書いていることも知られている。 ルイーゼとは、ザルツブルクの貴族エルンスト・フォン・ロドロン伯爵の二人の娘の一人で、アロイジアのこと。 モーツァルトは彼女のために、1776年に「ピアノ協奏曲第7番ヘ長調 K.242」を作曲している。 そのルイーゼ(当時19歳)が61歳のニコラウス・セバスティアン・ロドロン伯爵(宮内大臣)と結婚することになったので、そんな年寄りが若い娘を満足させられるわけがない(老人は寝取られるだろう)と皮肉って、父レオポルトがミュンヘンにいる息子に書いた手紙海老沢・高橋編訳「モーツァルト書簡全集 IV」白水社 p.498
そこで私たちは女流のクラヴィーアの弾き手にして音楽愛好家を一人と、そして大司教はこの土地でもう一人余計にコキュを持つことになります。に対して、モーツァルトは上のような返事を送ったのである。 すなわち、若い新婦と老いた新郎とでは、冒頭はなんとかうまく弾くことはできても、終結部まで老人はもたず、そのあげく老人は新婦を寝取られることになるというものだが、そのメヌエットの冒頭楽譜の数小節を示して、父に伝えたのである。 レオポルトはその譜面を見て、ニヤリとしたであろうか。 それはモーツァルトがバッハから学んだというと言っているように、1763年にガルッピ(Baldassare Galuppi, 1706-85)の「心をひきつける磁石」がロンドンで再演される際にクリスティアン・バッハが作曲したシンフォニアの緩徐楽章からとられたものであることが知られている。 これはまた、モーツァルトは「ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414」の緩徐楽章でも使っている。同書 p.489
ピアノ曲として書かれた楽譜はモーツァルトがパリからウィーンまでの間にザルツブルクで使用していたものであることから1779年成立説が生れたが、現在は上記のように修正されている。 それとは別に存在する第8曲の原稿を見てアインシュタインは本来オーケストラのための音楽と推測し、さらにほかの7曲についても同様であると結論づけた。 現存する曲はそのピアノ編曲と考えられていて、新全集では「クラヴィアーのための小品」のほかに「オーケストラのための舞曲」にも分類されて収録されている。 なお、第8曲の原稿には終りを意味する言葉「finis corona opus」が書かれてあるという。
■演奏
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CD[EMI TOCE-11558] t=14'03 ギーゼキング Walter Gieseking (p) 1954年3月 |
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CD[キング KICC 6039-46] t=15'05 ボスコフスキー指揮 Willi Boskovsky (cond), ウィーン・モーツァルト合奏団 Vienna Mozart Ensemble 1966年 E.スミス編曲 (編成:picc, 2 fl, 2 ob, fg, 2 hr, 2 vn, bs) |
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