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K.334 (320b) ディヴェルティメント 第17番 ニ長調「ロビニッヒ」

  1. Allegro ニ長調 4/4 ソナタ形式
  2. Andante ニ短調 2/4 主題と6変奏
  3. Menuetto ニ長調 3/4 複合3部形式(トリオはト長調)
  4. Adagio イ長調 2/2 ソナタ形式
  5. Menuetto ニ長調 3/4 ロンド形式(第1トリオはニ短調、第2トリオはロ短調)
  6. Allegro ニ長調 6/8 ロンド形式
編成 2 hr, 2 vn, va, bs
作曲 1779年〜80年 ザルツブルク

ザルツブルクの富豪ロビニッヒ(Georg Joseph Robinig von Rottenfeld, 1710-60)の夫人ヴィクトリア(Maria Viktoria, 1716-83, 旧姓アニーザー Aniser)の依頼で。 息子ジークムント(Georg Siegmund, 1760-1823)がザルツブルクの大学を1780年7月に修了するに当たってのフィナール・ムジークと推測され、作品の成立時期はモーツァルトが失意の帰郷をした1779年から自立への道を歩み始める1780年の間と推定されている。 そのため「ロビニッヒ・ディヴェルティメント」と呼ばれている。 作品はモーツァルトの死後、1799年にアウクスブルクで出版されたが、その以前に(1795年)第3・第4楽章を省いた4楽章から成る曲としてライプツィヒで出版されたこともある。

モーツァルト一家は古くからロビニッヒ一家と親交があった。 ゲオルク・ヨーゼフ・ロビニッヒは1760年1月15日、妻ヴィクトリアと娘マリア・ヨゼファ(Maria Josepha, 1743-67)を伴ってミュンヘンに旅行中、急死。 モーツァルトの父レオポルトは葬儀にかけつけている。 娘(長女)マリア・ヨゼファも病弱で1767年1月に亡くなった。

この曲が作られた頃、夫人ヴィクトリアは60歳を越えていた。早くに夫を亡くし、娘マリア・ヨゼファも失い、二人の娘マリア・エリザベト(次女, Maria Elisabeth, 1749-92, 愛称リースルまたはリーゼル Lizel)とマリア・アロイジア(三女, Maria Aloisia Viktoria, 1757-86, 愛称ルイーゼ Luise)と息子ジークムント(愛称ジーゲルル Siegerl)が残っていた。 モーツァルトは年齢の近いルイーゼが好きだった。 また、夫人ヴィクトリアは1775年1月にモーツァルトの姉ナンネルと一緒にミュンヘンに行き、『偽の女庭師』(K.196)初演を観劇したり、のちに1781年1月には(このときモーツァルトの母アンナ・マリアは他界していた)二人の娘マリア・エリザベトとマリア・アロイジアを伴ってミュンヘンに行き、『イドメネオ』(K.366)を観ているなど、家族ぐるみで暖かく交際してくれたようだが、モーツァルトの方は息苦しいザルツブルクの印象と重なり、必ずしも歓迎していたわけではなかった。 夫人ヴィクトリアは1783年4月24日、ザルツブルクで死去。

モーツァルトのディヴェルティメントの中で最も有名な作品である。 第2楽章は主題と6つの変奏曲からなる。 第3楽章のメヌエットはよく単独で演奏されるほどポピュラー。 弦は5つあるが、バスのチェロとコントラバスは同一パートの4部。 また、ホルンは第4楽章では現れない。 この形はロドロン伯爵夫人のために書いたディヴェルティメント第10番ヘ長調(K.247)と第15番変ロ長調(K.287)と同じ。 ただし曲の内容はこちらの方が数段上で、ザルツブルク最後期の傑作に数え上げられる。

CD[DENON COCO-7882]の解説書に若林氏による演奏者(第1ヴァイオリン)ヘッツェル氏へのインタビューが掲載されていて、ヘッツェル氏は

曲の真ん中あたりから作曲者は娯楽音楽ということを忘れているようだ。 教会音楽のような崇高さがあり、ヨーロッパの人が持っている『死の踊り』という考えを思い出させる。
と述べている。

演奏
CD [PHILIPS 32CD-168] t=51'09
アカデミー室内アンサンブル Academy of St. Martin-in-the-Fields' Chamber Ensemble
1982年12月、ロンドン
CD [SONY SK 47230] t=42'36
ランパル Jean-Pierre Rampal (fl), カザレ Andre Cazalet (hr), ヴィニ Jean-Michel Vinit (hr), パスキエ Regis Pasquier (vn), パスキエ Bruno Pasquier (va), ピドゥー Roland Pidoux (vc)
1990年11月、パリ
※第1ヴァイオリンのパートをフルートで演奏。フルート協奏曲の趣があっておもしろい。
CD [DENON COCO-7882] t=46'14
ウィーン室内合奏団 Wiener Kammerensemble
1991年4月〜5月、ウィーン
CD [キング KICC 220] t=41'11
ザルツブルク・モーツァルト・アンサンブル
1997年

メヌエット楽章だけの演奏
CD [BMG VICTOR BVCC-8825/26] t=4'01
ゴールウェイ指揮ヨーロッパCO
1984年
CD [COCO-78055] t=4'45
ヴェーグ指揮カメラータ・アカデミカ
1990年
CD [BICL 62193] t=3'30
近藤研二、松井朝敬(ウクレレ)
2006年
CD [PCCY 30090] t=5'09
ディール (p), ウォン (bs), デイヴィス (ds)
2006年

 

K.445 (320c) 行進曲 ニ長調

編成 hr*2, vn*2, va, bs
作曲 1779年〜80年 ザルツブルク

曲の成立時期は不明。上のディヴェルティメント第17番 K.334 の入退場のためと推定されている。 ソナタ形式で作られ、主部はニ長調の主題とイ長調の副主題で華やか。 短調の展開に続いて、上記ディヴェルティメント第1楽章の主題が導入される。 そして、フィナーレはピアニッシモの中に消える。

演奏
CD [キング KICC 6039〜46] t=3'27
ボスコフスキー指揮ウィーン・モーツァルト・アンサンブル
1965年
CD [PHILIPS 32CD-168] t=3'43
アカデミー室内アンサンブル
1982年
CD [COCO-78047] t=3'34
グラーフ指揮モーツァルテウム
1988年
CD [DENON COCO-7882] t=3'34
ウィーン室内合奏団 Wiener Kammerensemble
1991年4月〜5月、ウィーン
 


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2011/06/28
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