Mozart con grazia > ミサ曲 > 第16番 ハ短調
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ミサ曲 第16番 ハ短調 K.427 (417a) 未完

Missa in C minor (Great Mass)
編成 SATB, fl, 2 ob, 2 fg, 2 hr, 2 tr, 3 tb, timp, 2 vn, va, vc, bs, og
作曲 1782年秋〜83年春 ウィーン
  1. キリエ Kyrie (あわれみの讃歌) : Andante moderato ハ短調
  2. グロリア (栄光の讃歌)
  3. クレド Credo (信仰宣言) : Allegro maestoso ハ長調
  4. サンクトゥス Sanctus (感謝の讃歌) : Largo ハ長調
  5. ベネディクトゥス Benedictus (ほむべきかな) : Allegro comodo イ短調

初演 1783年10月26日、ザルツブルク、聖ペテロ教会

自筆譜は「魔笛」と「ジュピター交響曲」の楽譜とともに、1977年ポーランドのクラクフのヤギエロン図書館に保管されていたことが分かった。 それをもとにこの「ハ短調ミサ」のファクシミリ版が1982年に刊行された。 クレドの「クルチフィクス Crucifixus」以下と「アニュス・デイ Agnus dei」全部が欠けて未完のまま。

ウィーン時代唯一の、ミサ通常文 Ordinarium に基づくこの作品は、コンスタンツェとの結婚(1782年8月4日)後に、妻を連れてザルツブルクへ行く際、この曲を持って行き、故郷の教会に奉献しようと考えて作られた。 ただし、結婚が延び、種々の事情でザルツブルクへ行けず、作曲は完成しなかった。作曲はザルツブルクに着いてからも続いた(タイソンの考証)。 未完成のせいか、モーツァルトはこの曲を自作目録に載せなかった。

新妻の晴れ姿を見せるために、コンスタンツェのために書かれたソプラノ・パートは技術的にはごく平凡といわれる。 上手な歌手でなかった彼女の練習ために書かれた曲K.393の第2曲はこのミサ曲の「クリステ・エレイソン Christe, eleison(キリストよ、あわれみたまえ)」に似ている。

姉ナンネルは1783年10月、 日記に「26日、聖ペテロ教会でヴォルフガングが自作のミサ曲を指揮した。宮廷楽団全員が参加した」と記している。 なお、この教会の墓地には、1829年にザルツブルクで78歳の生涯を終えたナンネルが眠っている。

聖ペテロ教会は、ザルツブルク宮廷寺院に張り合っていたことから、大司教にしっぺ返しするにはもってこいであり、さらにその教会の楽師だけでは不足する楽員を宮廷楽団からの応援も得て、 10月26日の日曜日モーツァルトはミサをあげて新妻に歌わせ、そして翌日さっさとザルツブルクをたった。 してやったりと、ガッツポーズをとるモーツァルトの姿が目に浮かぶほどである。 この大胆不適な行動に対して苦々しく思ったのはひとり大司教だけでなく、父レオポルトも同様であったろう。

1785年3月、四旬節中のウィーン音楽芸術家協会の演奏会のために、キリエとグローリアを転用してカンタータ「悔悟するダヴィデ」K.469に編曲した。 テクストはラテン語からイタリア語に変ったが、その作者は不明。

アインシュタイン評

このトルソーはそれのみで燦然と輝く。作品の背後に感じられるものはバッハのみにとどまらず、18世紀全体だろう。モーツァルトは彼の世紀を総括し、その音楽言語を変容させた。
「モーツァルト、その人間と作品」(浅井真男訳、白水社)pp.471-472

未完に終っただけでなく、サンクトゥスでは管楽器とティンパニ以外のパートの自筆譜が消失し、写譜が残るだけのため、声部の復元などに関して、レクイエム K.626と同じく、様々な解釈による版がある。

演奏
CD [TELDEC 30P2-2226] t=55'22 (エーダー版)
ラキ Krisztina Laki (S), デーネシュ Zsuzsanna Denes (S), エクヴィルツ Kurt Equiluz (T), ホル Robert Holl (B), ウィーン国立歌劇場Cho, アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
1984年10月、※合唱の復元と管弦楽の補筆はフランツ・バイヤーによる。
CD [POCL-1014] t=51'11 (モンダー版)
オジェー Arleen Auger (S), ドーソン Lynne Dawson (S), エインズレイ John Mark Ainsley (T), トーマス David Thomas (B), ホグウッド指揮ウインチェスター・カテドラルCho
1988年11月、※リチャード・モンダー氏の詳しい解説(永田美穂氏訳)がある。
CD [KKCC-162] t=54'25 (エーダー版)
エルゼ Christiane Oelze (S), ラーモア Jennifer Larmore (S), ワイヤー Scot Weir (T), クーイ Peter Kooy (B), コレギウム・ヴォカーレ, シャペル・ロワイヤル, ヘレヴェッレ指揮シャンゼリゼO
1991年9月
LD [PHILIPS PHLP-9048] t=55'57 (シュミット版)
ボニー Barbara Bonney (S), フォン・オッター Anne Sofie von Otter (Ms), ジョンソン Anthony Rolfe Johnson (T), マイルズ Alastair Miles (Bs), モンテヴェルディCho, ガーディナー指揮イギリス・バロック管弦楽団
1991年12月5日、※没後200年を記念してバロセロナのカタルーニヤ音楽堂で行なわれたライブ。

一部演奏
CD [POCL-2665] (1) t=6'54
オージェ (S), ホグウッド指揮ウインチェスター・カテドラルCho

 


K.417B スケッチと断章 ハ長調

Sketches and fragments
  1. (K.Anh.23a) グロリア「Cum Sancto Spiritu(聖霊とともに)」のスケッチ
  2. (K.Anh.109f A) クレド「Et in unum Dominum」のスケッチ
  3. (K.Anh.109f B) サンクトゥス「Osanna」のスケッチ
  4. (K.Anh.109f C) クレド「Crucifixus」のスケッチ
  5. グロリア「Quoniam」の、あるいは「Qui tollis」の(アインシュタイン)、スケッチ
  6. ミサ曲 K.427 のためのスケッチなのか、単なる対位法の習作なのか、不明。

作曲 1783年? ウィーン

第6版から上記のように、ハ短調ミサ曲 K.427 のための6曲のスケッチと断片として集められている。カッコ内の番号はそれ以前に付けられていたもので、したがってばらばらに位置していた。 なお、第6曲の自筆譜の裏に「クラヴィアのためのフーガ K.375h」が書かれてある。
 


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2002/06/14
Mozart con grazia